第6話 人民委員会議
彼女たちから様々な情報を得たのち、それが情報局にて早急に整理され最高会議である人民委員会議が招集された。
クレムリンの中でもひと際異彩を放つ大クレムリン宮殿――総部屋数700室以上を誇る政府中枢である――は、不夜城と呼ばれている。そもそもの始まりはスターリンの寝所であるが、慈悲深き彼により、政府庁舎へと改築された経緯をもつ。
官僚たちは、そんな書記長を称える声を上げながら職務に励んでいるという。
なお、共産主義のくせに絢爛豪華な宮殿を建てた事実はスルーされた模様。
大宮殿には、勲章の名前にちなんだホールがいくつかある。その中に、アレクサンドロフの間とアンドレーエフの間が存在していた。
この2つのホールは、組織が
議場は重々しい雰囲気に包まれていていた。パチス♰ドイツや大ニッポンポン帝国といった仇敵であるファシスト国家――スターリンのようなストレートなネーミングは嘲笑の対象だった――との大戦争の際も、ここまで重苦しくはなかっただろう。
いつもニヤニヤ笑いを絶やさない
「
「うむ」
「では、異世界対策会議を始めましょう」
全員が落ち着くのを待って、議場進行役のモロトフが徐に話し始めた。スターリンが一つうなづくと、まとめられた情報を改めて全員が共有していく。
要点をまとめる能力は、さすが外務人民委員として辣腕を振るうだけはあると議場の全員が思っていた――スターリンを除いて。
(
真面目腐った表情の下で、
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