なんだろう

世界って本当にクソだと思う

君もそう思わない?

悪いことをしたのに罰を受けない人をみたとき

罪もないのに罰を受ける人をみつけたとき

そしてそれに憤りながらも何もできずにみているだけのぼく、きみ

なんでそんなことが許されているのか全然わかんないよね


人々には到底及ばない神のような存在が一人いて、悪いことをしたらその罪の重さに応じて、それ相応の罰を受けるような世界が一番の理想なんじゃないかな。

きっと、人が人を罰するから、世界はうまくいかないんだよ


神の前でならみな平等。

どんなに偉大な人も、大したことない人も

悪いことは悪い

神は神だから


神は冤罪なんてミスを犯すことはないよ

どこにいても、どんなに隠れていても、神にその悪事は隠せない。

僕たちはこのホシの範囲から逃れて生きていくことはできないから

このホシよりもずっと大きくて、隅から隅まで除くことのできる神からも逃れられない。


こうすれば、人は悪いことをしなくなるはずなんだ

絶対に罰を受けるのにわざわざ自分を痛めつけるような真似はしないでしょ?

むかついたから弱そうな人をいじめることも

許されないことをしているのに力が強いからってそれがもみ消されることも

世の中に嘘ばかりが垂れ流されることも

罪のない人が泣き寝入りすることも

ぜ~んぶ、なくなるんだ

理想の世界、みんなが良心の元だけに生活できる。優しい世界。

人が人を思いやれれば、世界は優しくなる。

世界ってそうあるべきだよね


みんなは知らないかもしれないけど、前まで世界はそうだったんだ

この世界には本当に神様がいて、どんな時でもみんなを見守ってた。

悪いことをした人には罰を与えて、逆に善い行いをしていた人には幸運を与えていた。

多分みんなもその存在を感じていたんじゃないかな?

だって、「バチが当たった」とか、「神の思し召しだ」とかいうこと、あるでしょ。

本当なんだよ。幸福も罰も、神がしっかりと人間に届けていた。


でも今は、それができていないんだ。

どうしてなのかはわからない。ある日突然、みんなを見ていた神の目が、どろどろにとけて落ちて行っちゃった。

神はみんなを見ることができなくなった。幸福を与える力も、罰を与える力もあるのに、それをどこに与えればいいのかわからなくなっちゃったんだ。

人間は神の祝福を失ったと同時に、神の恐怖から解放されたんだ。

それからどうなるのかはわかるよね。

「戦争」って、君たちは本でしかその存在を知ることはないのかな?

神から解放された人間は次第に罪を重ねていった。

そしてそれを制すために、人間が人間を人間の基準で裁いた。

出来上がったのが今の汚い世界。

神と違って人間の目は全然見えないだろ?

罪を犯しても裁く人間に見つからなきゃいいんだ。

人間が人間を裁くなんて無理があるに決まってるでしょ。


だから僕たちは動き出した。

クソみたいな世界を少しでも輝かせるために。

急がなきゃいけないから、やり方は少し雑になっちゃうかも知れないけど、まあ元はといえば君たちのせいだからね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る