♯50 旅のしおり


 ピンク色の自転車を購入して、店の外に出た。


 ハルマキは皆に向き直った。


 「さて、帰るか」


 皆は満足そうな顔をしていた。


 「ハルマキさん。ありがとうございました。とても、楽しかった」


 リディアは満面の笑みを浮かべた。


 「自転車乗りたいから早く帰りましょう」


 皆は人気のない路地に入った。アニスは懐から杖を取り出し、空間に穴を開けた。次々と穴の中に消えて行く。ハルマキはアニスの自転車を持って穴に入った。最後にアニスが穴の中へ入り、皆は無事にセロリアへ帰還した。








 城へ帰還した7人は別れ、アニスとハルマキは飛竜に自転車をくくりつけて飛び立った。


 酒場へ到着すると、飛竜を裏庭にある小屋につれて行き、店の中へ入ると深くソファーに座った。


 「つかれたー」


 「私はまだまだ余力あるわよ。ちょっと自転車で買い物行ってくるわ」


 元気な奴だ。そう、セロリアの人間は皆元気なのだ。


 「……飯の支度でもすっかな」

  

 ハルマキは楽しい日本の思い出ができて嬉しかった。みんなとなら、また行ってもいいかな。そう思った。




  

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