♯48 テレビの中の人





 自動ドアが開き、すぐに受け付けがあった。ルナは自動ドアを往復して開けたり閉めたりしていたが、気にせず空き部屋があるか確認した。


 「男女で別れることも出来ますし、一緒のお部屋もご用意できます」


 部屋はあるようだ。


 「男女別か、一緒の部屋か。どうする?」


 「一緒のお部屋がよろしいのではないでしょうか」


 リディアに皆が頷いた。セロリアで共に戦ってきた者たちだ。今さら男女など。


 ハルマキは大部屋にチェックインをした。 


 「おい、ルナ!そろそろ行くぞ」


 「はーい」


 7人は部屋へ向かった。








 「広いな」


 部屋に入った皆は、初めて見る和室に感動していた。


 「いい匂いがする」


 「荷物は隅に置いてくれ。夜は布団敷くからな」


 皆の荷物が隅に固められた。


  





 ハルマキは皆にお金を渡した。


 「さ、自由行動だ。夜飯までには帰ってこいよ」


 リディア、ジャンヌ、ダンテは部屋を出ていった。ハルマキ、アニス、ロキ、ルナは部屋でしばらく休憩していた。


 「テレビっと」


 ハルマキはリモコンを手にした瞬間、ルナにリモコンを横取りされた。適当に押しまくっている。


 「赤いボタンだよ」


 テレビの画面がついた。ハルマキのよく知る有名人が写し出された。


 「人が……。」


 アニスとルナは絶句してしまった。


 「こんな薄い板の中に……。」


 「まぁ、電気だから」 


 アニスはテレビに向かってあいさつした。


 「こ、こんにちわ」


 「話しかけても無駄だ。そいつらに感情はない。冷徹な奴しかテレビには映らない」


 説明もめんどくさくなったハルマキだった。






 

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