♯47 電車に揺られて








 ファミリーレストランを出た7人は、宿泊先である温泉地へ向かう為再び駅を訪れた。


 ハルマキは券売機でメロンというカードを7人分購入した。そのカードを皆に渡した。


 「このカードで改札の中に入れる」


 皆はまだメロンというカードを理解していない。ハルマキは改札にカードを当てた。ゲートが開く。


 ハルマキは皆を振り返った。リディアら頷き、恐る恐るカードを翳した。そして全員が無事に改札を抜けた。ルナはまたはしゃいだ。


 「もう一回やりたいですぅ」


 「お前、ほんとに機械が好きなんだな……。あと一回同じことするから我慢してくれ」


 7人はホームで列車を待った。反対側のホームに列車が止まっている。


 「あれが動くのか?」


 ダンテは列車に乗り込む人々を観察していた。


 「あぁ。俺らの全力疾走より全然遅いけどな」


 やがて列車がハルマキらが待つホームに到着した。列車に乗り込む7人。片側一列が空いていた為、そこに座った。


 




 


 ハルマキは久しぶりの列車に心が弾んだ。


 「目的地までは1時間半だ」


 思い思いに会話を楽しんだり窓から景色を眺めたりしている中、ハルマキだけは一人眠りについた。








 「起きて、ハルマキ!」


 ハルマキは眼を擦った。そして、熱海と書かれた看板が目に飛び込んだ。


 「アタミって言ってるわ」


 「もう終点か。降りよう」


 7人は列車を降りた。ルナは満足げに改札を抜けた。ハルマキの地元である川崎とはまた違った風景が広がっていた。


 「人がカワサキより少ない!」


 「アタミは落ち着いていて、私は好きです」


 「はは。俺も川崎で人酔いした」


 ハルマキらはすぐ近くの旅館に入っていった。


 




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