♯37 冥界に堕ちた者
ハルマキら4人は城門を破壊し、中へ突入した。城門の修理費は一体いくらくらいかかるのだろうか。ハルマキは修理費くらいは出そうと呑気に決断した。
中に魔物の気配は無かった。4人は王の間へ向かうため、階段をひたすら駆け上がった。
王の間がある階に到着した。王の間へ続く扉の前に、二体の鬼が立っていた。こちらに気付いた。
手にした巨大な刀を振り上げる間もなく、ローズの鎌の餌食となった。バラバラになった体が床に落ちて山となった。
「まじで何も食えなくなるからバラバラだけは止めてくんない?」
ハルマキが顔を青ざめて言った。
「僕より弱いくせに指図する気?まぁ、いいよ。君が何も食べれなくなって飢え死にしたら困るしね」
それはどういう意味だ。ハルマキはいつかこいつに殺される、そんな思考が過った。
4人は扉を蹴破り、リュークの待つ王の間へ足を踏み入れた。
中には巨大な水晶と、魔物の姿へと変貌したリュークが玉座に座っていた。
リュークが足を組んだ。
「水晶の調子が悪くてな。魔物が出せんのだ。まぁ、お主らごとき……。」
リュークは片手を上げた。手のひらから黒い炎の球が現れた。それをハルマキ目掛けて放った。
ハルマキは剣で防ごうとしたのだが、黒い炎は剣をすり抜けハルマキを燃やした。
ハルマキは骨の芯まで焼けるような痛みに耐えた。
ダンテとジャンヌは黒い炎を消そうと魔法を放つが、黒い炎は消えない。
ローズはリュークに向かって鎌を振り下ろした。だが、片手で止められてしまった。ハルマキの体にまとわりつく黒い炎が消えた。
ハルマキは肩で息をしている。
「さんきゅー、ローズ」
4人は武器を構えた。そして一斉に飛びかかった。
ダンテとジャンヌが剣撃の乱舞を繰り出し、ハルマキとローズは急所を狙い斬り込んだ。リュークはニヤリと笑った。体に傷はない。無傷だ。
ローズの頭を鷲掴みにして、ぶん投げた。壁に激しくぶつかり吐血した。ハルマキらは距離をとった。
立ち上がるローズ。
「これはヤバいね。カムイが来た所でって感じなんだけど」
ローズの言ったことに皆が共感していた。カムイは強い。だが、この魔物の前では無力に等しいだろう。
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