♯34 救う手立て
それから二日後。リディアらはカムイとローズの返事を待っていたのだが、一向に返ってくる気配はない。
「今日がリミットですね、ロウ導師」
「ふむ。兵士を使い道を作り、ハルマキら5人を救出する。そして一度退却じゃ」
リディアらと100万の兵士は、城へと進軍を始めた。
十字架にくくりつけられてから5日が経った。
「くそあのハゲ、腹に風穴空いたせいで痛くて夜も寝れねぇや」
言ったハルマキにダンテが厳しく突っ込んだ。
「こんな状況で寝ようとしてるのはお前だけだ」
すー、すーと寝息が木霊した。皆は寝息の主を凝視した。ジャンヌが気持ち良さそうに眠っていた。
「あいつは許してやってくれ。悪気はないんだ、多分」
緊張感が欠いたその時、遠くの外門から大軍が進行してきた。
「ジャンヌ!起きろ!」
目を醒ましたジャンヌは遥か遠くの軍隊を見据えた。瞳に輝きが宿った。
城の外門から100万の兵士が平原地帯へ進軍した。
ロウは双眼鏡でハルマキらを確認した。
「魔力を封じる鎖に巻かれとる。あれを斬れば皆、自力で逃げられよう」
ロウは古い本を開いた。
「さ、二つ名とまではいかぬが、お主らを強化する」
本は光を放ち、それぞれの兵士に光の弾がとんだ。そして、光の弾が当たった兵士は光のオーラを纏った。
リディアは魂を込めて叫んだ。
「行きましょう。5人を助け出すのです!」
軍隊は十字架にくくりつけられた5人目掛けて行進した。
城のどこに収まっていたのか。数千万の魔物が溢れだした。
リディアの軍と魔物の群れは、徐々に近付いていった。
「セロリアのために!」
兵士は雄叫びをあげて魔物の群れに衝突した。軍隊は魔物の群れを押していた。
「兵士がこれほど強く……」
「皆の士気が高いからじゃ、お主を再び玉座に導きたいんじゃろう」
平原を半分ほど進軍した所で、王の間でリュークが動いた。
「シュラとラセツ、サンバガラスを出せ」
「御意」
魔物は王の間から退出した。
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