♯17 戦場を切り裂く鬼
「ん?おい、皆大変じゃ!」
ギルが陣営内で叫んだ。
「一位が魔剣シバとなっておる」
皆がギルの持つリストを凝視した。
「ハルマキの応援に行った方が」
その時だった。先ほどの魔械兵とは比べ物にならない程の魔力を持った者が城から出てきた。
対面したジャンヌとダンテ。鎧を纏っているが、中は空洞だ。
「勝てそうか、ジャンヌ」
ジャンヌは首を横に振った。
その瞬間、二人は斬られ、地に倒れた。
「二人がやられた。こちらに向かってくるぞ」
陣営に戦慄が走った。
「いで」
「きゃっ!」
リディアとマルダが男に突き飛ばされた。
「邪魔だ」
漆黒の髪、赤い瞳。
「女王二人を突き飛ばすなんで、あんた何者だい!」
その時、ギルが叫んだ。
「来たぞ!」
ロキ、グレン、ギルは戦闘体制に入った。
赤い瞳の男は鼻で笑った。
「お前らじゃ無理だ」
それだけ言って鎧の人形に歩み寄った。
鎧の人形は目にも止まらぬ速さで男に斬り込んだのだが、その反応を越える速さで鎧を真っ二つに斬った。
皆はただ、何が起こったのか理解できなかった。
「俺がリュークの首を取る」
それだけ言って男は城へ走った。
「何者だい、あれは」
「恐らく、カムイじゃ」
最強の剣士、鬼神カムイ。ハルマキと並ぶ伝説の男が戦場に現れた。これ程心強い増援はないだろう。
「あたしら、勝ったんじゃないかい?」
「まだ何を隠し持ってるか分からん。じゃが、カムイの増援はかなり大きい」
戦争を始めて10時間、ようやく勝機が訪れた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます