このWEB小説界隈の片隅で とある作家の呟き
今回は、RT企画を達成した「私の感想」を述べさせていただきます。
重ね重ね言います。
「私の」感想です。
第一 個人的な事
1.疲れた
本当に疲れました。97作品。ほぼ目を通しました。全話目を通せませんでしたが、読みました。可能な限りのコメントは書かせていただきました。目がすごくショボショボし、ぼーっとしたまま仕事をした事が何度もありました。
肉体的ではなく、精神的な疲労もありました。「RT企画に参加してよかった!」というお褒めの言葉をいただく一方で、「お前みたいな奴に言われたくない」と怒られることもありました。
途中で、RT企画なんか止めてやろう。 いい書き手も良い読み手なんかも知るかー! と叫びました。結局、「RT企画に参加してよかった」という言葉に励まされ、なんとか踏破することが出来ました。
Twitter上で応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。
感謝しかありません。
2.交流が増えた
一次活動はほぼ初めてです。フォローしている人も少なく、また会話などほとんどした事がありません。
ボッチでした。
そんなボッチも、このRT企画のおかげで、多くの書き手さんと繋がることが出来ました。
繋がれただけではなく、文章を書くヒントや書籍など、様々な事をTL上で教えていただいています。
もしも、この企画をしなければ、きっと井の中の蛙で、絵に描いたもちだけを見ていたような気がします。
本当に、この企画には感謝しかありません
3.自分の小説を振り返って
(1)皆さんの小説を振り返って、私の小説がいかに言葉不足であるかと実感しました。
文章が上手な人というのは、どんなに身近な文章。フレーズであっても脳内に直接イメージを投げてきてくれます。色をつけてくれます。言いようの無い感情を胸のうちから上らせてくれます。
涙を流した作品もありました。知らない知識を与えてくれた作品もありました。
そんな作品の中で、自分の作品は、なんと装飾しきった作品なんだろう。と痛感しました。
(2)その一方、自分の小説にしかない世界観。とんがった世界観をもっともっと尖らせたい。
人の心に 頭に 頭脳に 考え 響かせ 感じさせる そんな文章にチャレンジしたい。
贅肉を落としきった文章を作りたい。と奮い立たせてくれました。RT企画にチャレンジしなければ、このような事をもう一度思うことは無かったでしょう。月並みな言い方ですが、多くの作品に触れて刺激をいただきました。
第2.書き手について
1.RT企画に賛同した書き手の傾向
(1)まず、ここでは、RT企画の作品の傾向を述べたいと思います。
私のRT企画では、約8割がファンタジー 残りが非ファンタジー。 非ファンタジーも、SF 歴史 学園もの と多岐にわたっています。
(2)ファンタジー物の9割は俗に言うテンプレ小説です。現在の主流はテンプレ小説と言っても過言ではありません。
ここで、テンプレ小説は何か。私は考えてみました。
テンプレ小説とは①異世界 ②転生 ③チート ④ハーレム のうち①をベースにした②~④のいずれかを含むもの。だと思います。そして、この4つすべてを満たしたものは、WEB媒体で一定の支持を持ち、商業化しやすい傾向があります。また、テンプレ小説の特徴として、「テンプレ」であることをあえてタイトルやあらすじで明記します。読者の誘導です。
多くのテンプレ小説を読みました。書き手はテンプレであることを自認しつつも、オリジナリティをくわえ、テンプレからの脱却を試みています。作品によっては、テンプレだったけど、完全なファンタジー小説に昇華されているものもあります。
(3) 自称テンプレ小説の書き手さんにあるコメントを送ったところ、このような返事が返ってきました。「アドバイスは嬉しいけれども、テンプレ小説ではなくなる」「それがWeb小説のルールだから是認できない」
おろ? と思わず首を傾げてしまいました。私は、小説を読んでいて「この人はファンタジー小説を書きたい。その作品がテンプレ小説だった」のではないかと思っていました。なので、書き手があえてテンプレ小説を書く 意味が見出せなかったのです。
きっと、多くの人に読んでもらいたい。 そう思いテンプレ小説を選んだのだと思います。
それは、その人のスタンスなので良いと思います。
ですが、そのようなコメントを残す人の多くが、「テンプレ小説に留めておくにはもったいない表現」の片鱗が見え隠れするのです。能ある鷹は爪を隠す状態にあったのです。
だから、私は声を大にしていいたい。「恐れないで! もったいないよ」
私の意見なので、鵜呑みにしないで欲しいです。でも、きっとその書き手さんは似たような意見をいくつももらっていると思います。
テンプレの枠から飛び出しそうで怖いと思ってる皆様。 怖がらないで。 もう、貴方は出てますよ。
(4) その一方で、「自分の小説は非テンプレ小説です」という人がいました。
きつい言い方になりますが、あえてその表現をするのは避けたほうが良いと思います。
「私 僕 ○○なんですよぉ」「私 僕 ○○が得意なんです」という人で、本当にそうだった人ってどれだけいましたか? 人生の中で。
とある憲法学者が言っていました。「自分が一番だ」と何の根拠もなく言える奴は信用してはいけない。一番だと言って、信用していいのは「憲法だけだ」。思想信条はあれども、これは納得です。
自分のウリで、他のとは違う。と言うのは止めておいたほうがいいと思います。読み手にしてみたら、肩透かしをして評価を下げてしまうかもしれません。
2.主流とは異なる書き手
(1)ここでいう主流とは異なる書き手とは、テンプレ小説はないものをさします。
そして、自称非テンプレとは違います。 彼らは、テンプレの枠に入っているけれども、非主流者はその枠にすら入っていません。
そして、非主流と思しき人は皆口をそろえてこういいました。「なろう ではあまり求められていないスタイルなので……」「ゆっくりと読んでもらえて嬉しかった」
わかります。 すごくわかります。
私も非主流に当てはまると思います。
けれども、そんな書き手に言いたいことがあります。
羽生 善治さん。 皆さんはご存知かと思います。
彼の著書 「大局観」にこのような事が書かれていました。
(引用開始)
情報化社会を上手にいきていく方法は、供給サイドに軸足を置くことだと思う。(中略)
ずっと、情報ばかり食べていると、ふと気づいたとき、「情報メタボになっている」可能性があるのだ。
情報メタボになったとしても、それは発信者側の問題ではない。どんなに規則やルールを作っても、実効性はないからだ。やはり、受信者側が意図的に対応するしかないのではないか。
(引用終了)
現在、なろうを含めライトノベル界隈は、テンプレ小説メタボになっていませんか? 似たような設定の小説が多くないですか?
これは、「それを作りたい」と思った作り手の気持ちです。私たちが止めることは出来ません。
一方、読み手はそのような小説ばかりを読めば、それこそ羽生さんの言うところの「情報メタボ」になってしまいます。
読み手はメタボ化を避けるため、自然と似たような小説を避けていくでしょう。その時、テンプレ小説以外のファンタジー小説がない。 テンプレ小説以外の小説が見つからない!となっては大問題です。
そこで、貴方の出番です。
今まで、非主流だと嘆いていた貴方。
貴方が、メタボ化を逃れてたい読み手の受け皿となるのです。
それまで、牙と腕を磨くのです。
(2)貴方のスタイルはWebスタイル? それとも?
RT企画が終わったあと、知人に言われた言葉です。
WEBに小説を載せていても、Webで見せることに適した小説 紙媒体で見せることが適した小説 があるそうです。
貴方はどのタイプですか?
自分のスタイルを見つめなおして、軌道修正するもよし。 そのままのスタイルを貫くのも素敵だと思いますよ。
第3.まとめ(仮)
1.長々となりましたが、これが私の「感想」です。これを見て「はぁ?」と思われるかもしれません。
それでも、受け流してもらえれば幸いです。
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