第82話 オオカミとハイ&ロー
※更新遅くなりごめんなさい! 試行錯誤していたのですが、どうにもタイリクオオカミせんせいに活躍して貰おうとすると真面目モードになりすぎてしまいます…… 今回と次回はちょっとギャグ少な目です。
「どうですか? キングの倒しかた、思い付きましたか?」
バーに戻ったアミメキリン、つなぎ、タイリクオオカミの三人は、フリシアンの問いに首を振って答えた。
「あれはダメだ…… 速すぎて止められない。理不尽極まりないね」
タイリクオオカミは、勝手にミルクが注がれることを見越してバナナジュースを頼んだ。
「でも、ならどうして一気に百万枚稼いでしまわないのかしら……怪しいわね」
アミメキリンは喉が乾いたので水を頼んだ。ミルクが出てきた。
「……多分、体力が持たないんだと思います。キングチーターはチーターの突然変異種、特徴もチーターと同じで、圧倒的な速度と引き換えにスタミナが無いのでイカサマを何回かやるとバテてしまうんです。スタミナが無くなったチーターなんてチベットスナギツネにも負けてしまうでしょう」
「なんでチベスナ?」
「何となく」
つなぎの説明によって、キングが一気に百万枚稼げない理由は明らかになった。
スタミナ切れを補う為、勝負の後はすぐ休む。ある意味ヒットアンドアウェイに徹底しているとも言える。
「つまり、私達は逆にスタミナ切れで休んでいる間にキングが稼ぐ以上の枚数を稼がなければいけない訳か」
「それしかなさそうですね、せんせい……」
落ち込む二人の会話につなぎが割り込む。
「ちなみに掲示板みたいなところがあってそこにこんなキング攻略情報もありましたよ↓(´・д・`)」
けもベガスの裏技
ジャパリコインは通常、購入に一枚10ジャパリまんかかる高級なものだが、838861枚購入することで内部数値がオーバーフローし4ジャパリまんで購入することができる(ファ○コン版のみ)
キングの倒しかた!
まずキングとたたかいはじめたら セーブします
リセットしてデータをけすを押して電源を切らなのところで電源をきります
すると・・・持ち点数が100000000000点になります!!!!!
友達から教えてもらったのでためsてませんがぜひやってみてください即出だったらすみません
結果 キングが倒せる!!!!!!!!!
キングの倒しかたまとめ
キングってめちゃくちゃ強くてどうしようも無いですよね……でも、そんなキングに勝つ方法があるんです!!
それは…………
次ページ、キングの倒しかた紹介!!
そんなキングに勝つ方法、それは……
1/3 >>
キングに勝つ方法、それは……
直接勝負しなければ良いんです!
キングと戦わなくても100万枚稼げば目的達成できます! キングは寝てることも多いのでその隙にコインを増やしましょう!!
どうでしたか? キングは倒せるようになっていないと思われます。他の勝ちやすいポーカーとかなにかでたくさんコインを稼いでみてください!!
2/3 >>
「キレそう」
訳に立たない度が高すぎてさすがのオオカミ先生もおこである。
実はちょっぴりプライド高いオオカミ先生。なんとかしてキングの鼻を明かせればと思っていたので尚更であった。
「せんせい、落ち着いて!!」
「タイリクオオカミもイヌ科の仲間ですからね、こうやって頭と喉元を撫でてあげれば……よ~しよしよし!」
「ちょっ! いきなり何を……くぅ~ん」
「あっつなぎずるい私もやるわ! よ~しよしよし!」
「くぅ~んきゅう~ん……」
少女もふり中 Now Mofuling…
「いい加減にしなさい」
「「ごめんなさい……」」←げんこつを喰らった
そもそも目の前でフリシアンが見ていることを忘れてはしゃぎまくりである。あとオオカミ先生が一緒なのでアミメキリンのテンション高めである。
「とにかく!! こうしている時間も貴重なんだからすぐにでもコイン集めを始めるぞ!!」
会話がようやく本題に戻ったタイミングで、今がチャンスとフリシアンが会話に入り込んできた。
「それなら、一気に稼げる方法が一つありますよ」
「なんだい? そんな方法があるのかい?」
興味深そうに耳を傾けるタイリクオオカミに、フリシアンはつなぎが注文した飲み物を作りながら説明を始めた。
「他人のイカサマを見破った場合、イカサマしていた者から30万JPを貰うことが出来るんです。この施設を運営しているスタッフのフレンズとかがイカサマしている場合も含めて、です」
イカサマする者には罰を、その為のルールかもしれない。30万はトップクラスに稼いでいるフレンズ以外破産する金額。莫大な罰則金と言える。
「ほう……? それは興味深い。つまり、みっつイカサマを見つければそれだけで90万じゃないか」
「ええ、そしてイカサマは恐らくあちこちで行われています」
「じゃあどうして、他のフレンズはイカサマを見抜いて稼がないんだい?」
上手い話には裏があることも知っているオオカミ先生、その辺りのチェックは抜かさない。そんなオオカミ先生でもデブデブになってしまう食のなんと恐ろしいことか。
そして、フリシアンから返ってきた返答は少し意外なものだった。
「ここに来たフレンズ達は、だんだんとここの空気にのまれていきます…… 思考力も落ち、ギャンブルに全てを捧げるようになる。賢いフレンズも、腑抜けにされイカサマを見抜く力も失っていくんです」
作り終わったドリンクをつなぎの前に置き、悔しさを顔に滲ませつつ続けた。
「でも、脱出出来ないから入り浸るしかない…… 私も、それに気が付いたけれどもうどうしようもありませんでした」
フリシアンも、少し前はコインを借りてゲームをしていた。しかし、それが罠だと勘づいたのだ。
「……コインはジャパリまんで買えるようなレートではないから借金しなければいけない。ギャンブルをやればやるほど空気に飲まれる。コインを借りたものに残された道は、こうしてスタッフとしてタダ同然の金額で働くか、地下に連れていかれるか……」
タイリクオオカミは、フリシアンが協力的な事に少し違和感を感じていた。しかし、事情が見えてきた今、彼女の協力の理由も浮き彫りになってきた。
「貴方達なら、このクソッたれな空間を何とかしてくれる。そんな気がするんです。ここにいるフレンズ達の間でちらほら噂になっているフレンズ……漫画を描けるほど賢いフレンズであるタイリクオオカミと、うんちょこちょこちょこぴーだったポンコツ探偵だけど最近は見違えたかのように事件を解決しているアミメキリン、そして……その助手として活躍しているヒト。貴方たちなら……」
「ねぇうんちょこちょこちょこぴーってなに「分かった、そういうことなら私達がなんとかしてみせよう」先生! ちょっと今重要なこと聞いてるんだから邪魔しないでください!!」
ぷんぷん怒るアミメキリンの頭を少し背伸びして撫で(個人的にはアミメキリンがタイリクオオカミより背が高いのが理想、この小説もその設定を採用しています)タイリクオオカミはバーのカウンターを離れる。
「さて、本格的にもたもたしている暇はないよ、キリン」
「やっちゃいますか!? せんせい!!」
「イカサマを探しがてら、私が勝てるようなゲームでコインを稼ごう。都合良くイカサマが見つかるとは限らない、やりながらチャンスを伺うんだ」
「ならせんせい! 私達はどうすれば!」 「おい」
「いいかい、この作戦のキモは、私達が三人だということだ。一人でやるよりも断然効率良く動ける。引き続きこの館内を探りながら、怪しいところやイカサマの兆候、勝てそうなゲームがあったら挑んでコインを稼いでほしい。ただ、無理はしなくて良い。イカサマさえ発見できればコインをギャンブルで稼がなくても良いからね」 「おい」
「分かりました! 任せてください!!」
「おーーーーい!!」
「ちょっと! 作戦会議中だから邪魔しないで!」
アミメキリンが振り返ると、そこにはキング偵察の間もずっとここで飲んでいたらしい、ツチノコが困惑顔で立っていた。
「お前らのツレ、酔い潰れて寝てるんだけど」
「むにゃむにゃ……ヒック でばん……でばんをもっと……zzzzz」
「「……」」
つなぎの手元には、少しだけミルクが入ったグラスが残っていた。タイリクオオカミはそれを少しだけ舐める。
「ペロリ……これは……!」
「オオカミせんせ、それは一体?」
「お酒だ!」
「え、ええ。カルーアミルクですので……」
フリシアンから補足が入った。カルーアミルクとは、コーヒーリキュールを牛乳で割ったお酒である。どうやら、つなぎはカルーアミルクをジュースか何かと勘違いしてグビグビやってしまったようだ。ゆきやまの悲劇再び。
「…………………………いいかい、この作戦のキモは、私達が二人だということだ」
切り捨ての早いタイリクオオカミであった。
「ねぇ、勝ちまくってるフレンズがいるって?」
「そうそう、トランプカードコーナーで、勝負挑んでくるフレンズをバッタバッタとなぎ倒してるらしいよ」
「そこのコンビニ、ジャパリまん半額らしいぞ! いこうぜぇ!!」
一時間後、けもベガス場内の一角が騒がしくなっていた。快進撃を続けるフレンズがいると。
「君のカードはQなんだよ? 私のカードがKかまさかまさかのジョーカーだった場合しか負けないのに、賭けないのかい?」
「くぅぅ……! 分かった、勝負!!」
「いい心がけだね……でもごめん。君のカード、本当は4なんだ。どれどれ、私のカードは……7か! なら私の勝ちだね」
「うううう、負けたぁ……!」
そう、皆さんもお気づきであろう。勝ちまくっていたのはタイリクオオカミである。
彼女が今やっているギャンブル、それはインディアンポーカーであった。
インディアンポーカー。プレイヤーはお互いにトランプのカードが一枚ずつ裏返しのまま配られ、それを数字を見ないまま自分のおでこに掲げる。これで相手の数字だけが見える状態となる。この状態のまま、見えない自分の数字が相手より高いか低いかを予想し、コインを賭けたり勝負を降りたりするゲームだ。通常は3人以上で行うが、ここけもベガスでは一対一で行われている。
賭け金の賭け方はこうである。まずは先攻がいくら賭けるか言う。後攻は、それを受けるか受けないか言う。後攻は無理だと思ったら降りても良い。その場合ゲームへの参加費だけが先攻に渡る。
また、後攻は勝負を受けた上で賭け金を上げる事が可能。賭け金を上げた場合、先攻はそれを受けるか降りるか、また更に賭け金を上げるか選べる。この流れを繰り返しお互いが賭け金に合意したら初めてカードの数値を比べて勝負、勝った方が賭け金を貰える。
けもベガスインディアンポーカー特殊ルール
・数値の強さはA<2<3<………J<Q<Kの順。ただし、一枚だけあるジョーカーはA以外全てに勝てるがAにだけ負ける。
・カードのマークは関係なし。ハートの8とダイヤの8なら引き分けになる。
・賭け金の上限は通常5000JPだが、両者の合意があれば上限の変更可能
・手持ちコインが賭け金に足りなくても、全コイン賭ければ勝負可能。ただし、その場合負けたら即地下行き。
ぐだぐだ書いてしまったが、要はお互いのカードの数字の大きさで勝負。相手の表情を読み賭け金を吊り上げていくゲームである。
負けると思ったらなるべく早くゲームを降りて負け金を少なくし、勝てそうな時は相手に勝てそうだと悟られずギリギリまで賭け金を吊り上げる。心理戦が肝心なのだ。
慣れればすごく簡単で白熱できるゲームなので、ポテチやチョコベビーなんかを賭け金代わりにして遊んでみるのも良いだろう。プリン○ルスが形が統一されててチップにオススメである。
「さすがいい顔コレクターのオオカミせんせ。相手の表情を読みきって勝ちまくってるわ、イカサマ無しで……!」
一度に勝てる金額は少な目なものの、ゲームの回転が早いためどんどんコインが貯まる。タイリクオオカミが稼いだコインは、既に10万枚に到達していた。
「私も早くイカサマ見つけて暴かなきゃ……! 頑張ってくださいせんせい!!」
タイリクオオカミの勝負の観戦を止め、アミメキリンは場内の偵察に戻る。
「さて、もっと稼ぎたいがひとつのゲームで稼げるのはここらが潮時かな……」
タイリクオオカミが席を立とうとした時、使っていたゲーム台の上にジャパリコインの詰まった袋がドスンと置かれた。
「わっ! 一体なんだい……?」
顔を上げると、そこには二人組のフレンズがいた。
突如現れたフレンズを見た周りの野次馬も、にわかに騒ぎだす。
「クイーンよ……」
「クイーンに目をつけられた、アイツ終わりだな……」
「あのコイン袋、多分強制勝負権を使うつもりなんだ!」
「ママー……ウゥウゥ……♪」
ボヘミアンラプソディはいいぞ。筆者は泣いた。
タイリクオオカミの前に立った二人組のフレンズ。片方は大きな金色の卵を片手に抱え優雅に紅茶を嗜んでいるフレンズ、もう片方は袖の無いスーツを着た、どこか執事を思わせる雰囲気(もう二度と間違えない)フレンズであった。
「はじめまして。こちらは、ダチョウ様。そして私はその従者をしておりますディンゴでございます」
スーツ姿のフレンズは、自らをディンゴ、そしてダチョウに仕えていると語った。
「は、はぁ……はじめまして」
タイリクオオカミは困惑していた。いきなり置かれたコイン袋の意味が分からなかったからだ。
「お嬢様は貴方に興味を示されたのです。その5万JPは、お嬢様からの挑戦状でございます」
「???」
まだ話が読めず首を傾げるタイリクオオカミ。
「ご存じないようですね……ここけもベガスでは、5万JPを支払うことによって、その相手と強制的にギャンブルを3ゲーム、行うことが出来るのでございます。これは、その為のコインです。貴方には、これからダチョウお嬢様とギャンブルをしていただきます」
勢いよくまくし立て、タイリクオオカミに詰め寄るディンゴ。が、後ろで見ていたダチョウが、紅茶を飲む手を止めそれを制した。
「やめなさい、ディンゴ。私は嘘をつくのが苦手だから正直に言います。急激にコインを増やしている貴方達と勝負し、あのキングをも越えるコインを手にしたい。その為に貴方達に勝負を挑ませてもらいます」
タイリクオオカミはダチョウの目をじっと見つめるが、嘘をついているようには見えなかった。
キングを越えるという彼女。ならば、恐らくランキングに名前があるはず。タイリクオオカミはボードを横目で眺め、そこにダチョウの名前は無かった。
「他のフレンズはお嬢様のことをカードの女王、クイーンと呼びます」
ディンゴの補足を受け、もう一度ボードを見る。そこには確かにクイーンの記述があった。
「クイーン、獲得コイン枚数第二位、40万JP……!?」
「さあ、どちらにしろ拒否は出来ないのです。それに、私には見えます」
ダチョウは掲げた卵を覗きこむ。そこには何かがぼんやり浮かんでいる。彼女は占い師見習いのフレンズ。実は、卵を水晶がわりに占いが出来るのだ。
「貴方達が、どうしてもあの100万の景品を手にしなければいけないということが…… ならば、大量のコインを持つ私との勝負は願ってもない機会のはず。5000なんて小さな勝負ではなく、上限なしで……ね」
クイーンからけしかけられた勝負。両者の合意でゲームはインディアンポーカーを選択。
5万も払ってわざわざ勝負しにくる強気な姿勢。
しかし、ギャンブルはタイリクオオカミのペースで進んでいた。
なお、流石に卵はディンゴへと預けてある。イカサマしていませんというアピールであろう。まぁ、使っていたら負けてはいないだろうが。
「さて、これで私が5万ほど勝ってしまった訳だが、まだやるかい……?」
既に約束の3ゲームはとっくに過ぎていた。
現在、タイリクオオカミの所持コインは20万枚、ダチョウはタイリクオオカミに5万支払って強制的にギャンブルをしかけさらに5万負けたので30万枚。
彼女ははクイーンと名乗るには相応しくないほど表情が読み取りやすく、今までと特に変わらずに勝つことが出来た。
「も、もも、勿論です! 次のゲーム、行きますよ!」
焦って顔が真っ赤になってしまっている。
「そうかい、なら始めるよ。せーのっ!」
お互いにカードを掲げる。
…………ダチョウの数字はA、最弱であった。
(また私の勝ちだね、さて、どこまで賭け金を吊り上げて勝てるか……)
「あ、あわ、あわわわはわわ……」
(というかダチョウ、もう目がぐるぐる回っていないかい? 流石に可哀想なことをしたかな……)
あの顔はこちらのカードの数字が高いことを見て慌てているのだろう。今回の勝負はあまり賭け金を吊り上げることは無理かもしれない。
……と、ダチョウの様子を見かねたのかディンゴがダチョウに紅茶を差し入れる。
「お嬢様、気持ちを落ち着かせる紅茶です」
「あああ、ありがとう、ディンゴ……」
ずずず、と紅茶を飲んで一息入れるダチョウ。ふわり香る柑橘の香り、レモンティーであろうか。
カップに注がれた紅茶を半分ほど飲んだところで、再びゲームを再開する。
しかし、その時のダチョウの反応はタイリクオオカミの予想と全く違うものだった。
「ふぅ、私としたことが取り乱してしまいました。この一回で一気に敗けを取り返しましょう、掛け金…………5万に上げます」
「5万!?」
いくら上限無しだからと言って、いきなり跳ね上がり過ぎである。気持ちを落ち着かせる紅茶で理性まで失ってしまったのか。
しかし、願ってもない展開であった。相手の数字はA、自分の敗けはたった一枚のジョーカーの場合のみである。ここで引き下がる理由はない。
「だったら私も覚悟を決めよう、7万、これでどうだい……?」
「なるほど、チキンではないのですね。なら、10万では?」
躊躇なく賭け金を吊り上げるダチョウ。これは、本気で今回で負けを取り戻しに来ている。
(ならば、こちらもここで畳み掛ける──)
「…………乗ろう、10万。さぁどうする…………?」
10万で勝負が決定するか、それとも────
「なら掛け金を上げます、20万」
「くっ!?」
20万、手持ちのコインほぼ全部である。これを賭けて負けたら、もう次はない。その時点でクイーンとの勝負は敗北である。一方、勝負に勝てば20万枚、目標の100万枚へと大きく前進出来る。
「20万です。勝負しますか? 賭け金を上げますか? それとも……降りますか?」
「………」
「降りたとしても10万は支払わなければいけません。勝負した方が良いと、私は思いますが。貴方のカード、すごく強いですよ……?」
不適な笑みを浮かべるダチョウ。読めない、さっきまでと反応が明らかに違って全く読めない。
20万に乗れば破産を賭けた勝負、しかし勝負を降りてもここまで掛け金を上げてきた10万枚、払わなければならない。それは現在の手持ちの半分近くであり、100万枚獲得への大きな後退を意味していた。
しかし20万はダチョウにとっても手持ちのチップの大半を失うハイリスクな勝負である。なぜ、ここまで押せるのか。なぜ、急に強気になったのか…………
タイリクオオカミの額を、冷たい汗がつたって落ちる。
これが、ギャンブル。遊びの範疇を越えた、お互いが破滅するまで続けられるデスゲーム。いつの間にか、タイリクオオカミは窮地に立たされていた。
数十秒の沈黙の後、タイリクオオカミは、こう宣言した。
「私は─────」
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