第79話 ぷよぷよフィーバー
※お待たせしました! 今回はタイリクオオカミ先生を取り戻す回です!!
前回までのあらすじ
オオカミ先生がメタボってしまっていた。
前回までの牛すじ
下処理として水から一度茹でて1分間ほど沸騰させて、茹で汁とアクを全て捨てる。生姜をひとかけら入れてもう一度水から茹でて、再度沸騰したら弱火にして一時間半~二時間煮込んだ。
煮込み時間の合間に本編をどうぞ
「人には人種があって、かつて肌が白い人が黒い人を不当に、まるで同じ人ではないかのように奴隷のように扱ったという」
朝靄たちこめるロッジにて、タイリクオオカミは目を閉じ、何かに想いを馳せるかのように語る。
「黒い人達が卑劣な扱いを受けた様子を怒りと共に歌った歌に、奇妙な果実という歌がある。昔のアメリカという国の南部の様子を歌ったもので、黒い人達の死体が木に吊るされた様子を果実に例えたものだ。私たちフレンズに差別という概念は今のところないが、そのような事はしないように、人の歴史に学ぶことも必要かもしれないね」
隣に立つアミメキリンは、静かにタイリクオオカミの言葉に耳を澄ませていた。
「という世間話は置いておくとして、私達の目の前にあるこの果実は、どんな果実だと思う?」
「食虫植物の実じゃないですかね……はぁ」
「警告! 警告! サンドスター量ガ基準値ヲ大キク下回ッテイルヨ! ジャパリマンヲ食ベテネ! 食ベテネ!」
「ぬおおおお!! ぶら下がった状態からブランコのように左右に体を降ることで遠心力でジャパリまんのかごまで辿り着く!! おりゃあああ!!」
失礼な事を言ったおしおきとして簀巻きでぶら下げられていたつなぎ。空腹を察知してその下にラッキービーストが集っており、つなぎがそれを何とかして食べようと振り子のように揺れていた。
「耳掻きの件でちょっと見直したけれど、根底はやっぱりバカだったわ……」
ちなみにパンダパワーで引きちぎって逃げないのは、簀巻きに使用しているマフラーをつなぎは破れないからである。(勿体なくて) これ生活の知恵なり。
「はぐもぐむっしゃもぐむっしゃ! もひとつおまけにもぐむっしゃ!!」
「ははは、凄まじい食べっぷりだね、感心するよ……」
左手でジャパリまんをつかみ、口に入れる間に右手は次のジャパリまんをつかむ。黄金の回転エネルギーが無限の食欲を生むとか生まないとか。
「今包み紙ごと食べてたでしょ! ぺっしなさい!ぺって!」
「むっしゃもぐもぐむっしゃむしゃ!!」
「駄目だわ聞いてない……」
実はこのジャパリまんの包み紙はフレンズの鋭い爪とかに触れても大丈夫なように非常に丈夫なのだ。製造方法は謎。フレンズ達が捨てた包み紙はそのまま分解されて自然に還るエコシステム。
つなぎがジャパリまんに夢中で話を聞かないので、これは放っておくしかないと判断したアミメキリンはタイリクオオカミに話を振る。昨日はすぐ寝てしまいほとんど聞けなかったのだ。
「それで、先生一体どうしてそんなことになってしまったんですか?」
タイリクオオカミにはそんなこと、の意味が分かっていた。ぽよぽよのお腹のことである。
「それを話すには、まず私がロッジに帰ってきたところから話さないとね」
肘掛け付きの椅子に腰掛け、背もたれに体重を預けるように座りながらタイリクオオカミはそう言った。ギギギギギと椅子からちょっとヤバそうな音がする。
「……君たちと別れた後、私はロッジへと戻ってきた。君達は色々やっていたようだからここまで着くのに時間がかかったけれど、私はほぼ真っ直ぐ帰ってきたからすぐだったのさ。その時には、アリツさんはいたんだ」
新しい人が来たりするだけでなく、いつもいる人が居なくても生活に新鮮な雰囲気が出ることがある。
漫画を書きながら、アリツカゲラと二人のロッジを楽しみつつアミメキリン達の帰り待っていたのだという。
「だが、ある日突然アリツさんは居なくなった」
「何か、普段と変わったところとかは……」
「無かったと思う。当然、私はアリツさんを探した。例え地の中水の中草の中森の中だ。あのこのスカートの中にも……ふふ、冗談さ。しかし、見つから無いまま時が過ぎ……数日経って異変が起こったんだ。ロッジから出発し、アリツさんを探しに行っても知らないうちにまた戻ってきてしまう。そして、探せば探すほど私の体調も悪くなってきてしまった」
何か悪い空気でも吸ってしまったかのような胸の閉塞感、アリツカゲラを探すどころではなくなってしまったのだという。
「そこで私はとある知り合いに、アリツさんを探して貰うよう手紙を出してお願いした。自分は療養するために……ね。勿論、君たちが来てくれることも信じていたが……」
アミメキリンがその知り合いとは誰なのか聞こうと口を開いたが、何か話す前にタイリクオオカミの手に遮られてしまった。ゆっくり首を振るタイリクオオカミ、つまり、最後まで聞いてくれという事だ。いちいち仕草がカッコいい。
「病気の時には休むのが一番だ。私は体力をつけ消費したサンドスターを補給する為にラッキービーストが持ってきてくれたジャパリまんを沢山食べた。そしてベッドで横になったのだが……」
気が付くと、体が膨張してしまっていた!
タイリクオオカミが太ってしまったと漫画のファンに知られたら、まわりのフレンズにも危害が及ぶ(?)
でっかくなっても頭脳は同じ! 体重マシマシ名作家! 昼食は、いつも二回!!
「…………まとめると、未だにアリツさんは行方不明、オオカミ先生は体調不良な上に太った原因が不明、と」
「……確かにジャパリまんは食べたが、こんなに太るほどは食べてない! 信じてくれ!」ボヨヨン
机に手をつき訴えるタイリクオオカミ。なおバストサイズもアップしている。
ただ、話を聞く限り、原因は自ずと絞られるように思えた。ジャパリまんだ。そもそも、食べないと体重は増えないのだから。
「……ってじゃあ今つなぎが食べてるのも危ないんじゃ!?」
アミメキリンは振り返り、つなぎの方を見る。
「ふぇ? どうしたんですか?」プヨン
「ちょっと太ってるーー!?」
「え? うわあ!?」
お腹についた肉に驚愕するつなぎ。
「な、なんでこんなに太って……!? もしかして、ジャパリまん食べ過ぎましたか!?」
「数十個食べてるときもあるのに食べ過ぎもへったくれもないわよ! 危険! このジャパリまんは危険だわ!!」
つなぎの目の前にあるジャパリまんをかごごと取り上げる。
「そう言えば私もお腹が減ったなぁ……た、食べたい……そのジャパリまん……じゅるり……じゅるりらじゅるりらたったった……」
タイリクオオカミがにじりよる。
「せんせぇ! ダメです今危険だって言ったばっかりじゃないですか!」
「危険だと分かってても……食べたいです」
「こら! つなぎ、飛んでとろうとしないの!!」
「うっ、うっ、美味しい…… ジャパリまんが美味しいよアミメキリン……!」もぐもぐ
「せんせぇダメーーーー!!!!」
「さらにふとってしまった」
放心するタイリクオオカミ。自業自得かもしれないが、美味しすぎる食べ物にも罪はあるのではないだろうか。というかここまできたら中毒性の問題である。
「どたばたしてたら元に戻りました」
「よ、良かったわね……」
一方、つなぎはアミメキリンとジャパリまん争奪戦をしている間に元の体型に戻っていた。
「つまり、このジャパリまんは太りやすいが痩せやすい、と……」
どうやらついた脂肪はあぶく銭のようなもので、運動をするとすぐに消えてしまうようだ。であれば、選択肢はひとつ。
「オオカミ先生、運動して痩せましょう!」
「運動かぁ…… ちょっとめんどくさいかなぁ……」
「そんなこと言わずにぃ!!」
タイリクオオカミを引っ張って外へ連れ出そうとするアミメキリンだが、重くてなかなか引き摺れない。
「タイリクオオカミさん、そのままだと色々体調に差し支えますし、心臓にも負担がかかります。最悪、死んでしまうかも……」
フレンズだからそんな事は無いと言いたいが、この太り方は異常である、何が起きるか分からない。
「そ、そそそそんなわけないだろう…… ふぅ、ふぅ……」
「ほら! すぐ息があがってます! それだけ体に負担がかかってるんですよ!」
つなぎの指摘は正しい。フレンズもハァハァしちゃうのだ。……酸素補給と体温調節の為に。
「今のオオカミ先生を一人残しておくと、ジャパリまんをどんどん食べてどんどんおっきくなってしまうかもしれないわ…… アリツさんのことも心配だけれど、まずはオオカミ先生のことを解決しましょう」
「解決とは、つまり……?」
「オオカミ先生ダイエット作戦です!!」
高らかにアミメキリンは声をあげた。
しかし、けものにダイエットという概念は元々ない。そこで、つなぎが一肌脱ぐこととなった。
「まずはジャパリまんを食べざるを得ない環境を改善しないと。やはり、最近のダイエットと言ったらこれ!」
つなぎは、べちゃっとした何かを取り出した。
「それ、なに?」
「ジャパリまんの具だけです」
どや顔で言うつなぎと、首を傾げる二人。伝わっていないと感じたつなぎは、補足説明をした。
「そう、炭水化物抜きジャパリまんですよ!」
食事の中から炭水化物の摂取を絶つダイエット方法、それが炭水化物抜きダイエットである。実際、極端にやりすぎは良くないが普段米やパン、麺をたくさん食べる人にはそれだけで有効だ。
「うま、うま」
もぐもぐ食べるタイリクオオカミ。
「……皮が無いと食べた気がしないなぁ。おかわりは無いのかい?」
つなぎとアミメキリンには分かった。具だけ食べてもちょっと体が大きくなっていた事を。失敗である。
「ジャパリまんじゃ無いものでやったらどうかしら」
「野菜だけの食事にしてみましょう」
「サラダとか食べてるし……体に良いもの食べてるよ? 私は」
「オオカミ先生どちらかというと肉食でしょ……」
正しくはフレンズ皆雑食である。
「というわけで野菜だけで作ったご飯がこちら! かき揚げ天丼です!!」
「ご飯入ってるじゃない!!」
「ライスたっぷりでヘルシー」ニチャア
邪悪な笑いを浮かべるタイリクオオカミ。ライスは野菜です。
「かき揚げは野菜の中のカロリーの無い部分だけを寄せ集めて揚げてますし、油はパチパチ跳ねることでカロリーを破壊します。そして白色というカロリーオフを示す色のご飯にのせることで、ゼロカロリーを実現しているんです」
「そんなわけないでしょぉがぁぁぁ!!」
結局、色々試したが運動以外に良い方法は見つからなかった。食べる量を減らし運動する。これに勝るダイエット方法は無いのだ。
「なかなか、良い方法が見付かりませんね……」
「いや食べさせる路線だからダメなんじゃないの……?」
「もうすぐ、夜になる。私も漫画も描きたいし、続きは明日で……どうかな?」
「分かりました。オオカミ先生、明日は運動しますからね」
その日はお開きとなり、三人はバラバラの部屋で寝た。何気につなぎとアミメキリンが別部屋で寝ることは珍しい。駄々をこねるかと思われたが、つなぎは別部屋をすんなり了承した。
その夜、アミメキリンは短い睡眠を取った後起き出してロッジの中を散歩していた。
「あら、オオカミ先生まだ起きているのかしら」
執筆用に夜も明かりがつくタイリクオオカミの部屋、光が扉から漏れ出ていた。中からタイリクオオカミの声もする。こっそり近づき、聞き耳を立ててみた。
「駄目だ、しんどくて、座って漫画を描くことも辛い……」
手に持ったペンを静かに置き、項垂れるタイリクオオカミ。
「痩せたい…… しかし食べてしまう…… 空腹を感じたときに、自分で自分をコントロール出来ないんだ……! 運動も続かない…… どうすれば、どうすればいいんだ! このままでは漫画を待っているファンにも、そしてアミメキリンにも失望されてしまう! ……そんなのは、そんなのは……嫌だ……」
真っ白の原稿に、ポタリポタリと雫がたれる。それは、アミメキリンが敬愛する彼女が見せた、始めての涙であった。
(オオカミ先生……)
タイリクオオカミも、苦しんでいたのだ。いや、苦しみ続けていたのだろう。しかし、ことダイエットを一人ですることは、強靭な意志が無いと難しい。終わりの見えない自分との戦い。続けることが困難なのだ。
しかし、タイリクオオカミがアミメキリンに苦しんでいる姿を見せたくないのと同じくらい、アミメキリンは苦しむ彼女をなんとしてでも助けたいのだ。
(オオカミ先生がそこまで強く考えているなら……私も、手段は選びません)
彼女を痩せさせる為には、今までやってきたものとは別のアプローチが必要な筈だ。
今までタイリクオオカミと過ごしてきて何かヒントになることは無かったか。目を閉じて思考し、記憶の中から思い出を探す。
ひとつ、引っ掛かる記憶があった。それは、かばん達がキョウシュウを出発してから半年程経ったある日、タイリクオオカミに連れられてとしょかんまで漫画の原稿を持っていった時の事だ。
─────────────────
出来た原稿を博士達に渡し、これを本の形にしてもらう。ここまでやって始めて漫画として完成するのだ。
受け取った原稿を確認している博士。しっかり揃っていることを確かめると、それを大きめの封筒に入れた。いつもならここで終わりだが、その日は、タイリクオオカミとアミメキリンが帰る前に、博士と助手がある話をし始めたのだ。
「最近、お前に影響されて他のフレンズも漫画を書き始めたのです」
「出来たものをここにどんどん持ってくるおかげでとしょかんが無料で漫画が読めるところみたいな扱いなのです。漫○村なのです」
むしろけもマの延長線、コミけもマかもしれない。
「それは良いことじゃないか、どんなのが人気なんだい?」
「今はアレですね。独り暮らしの自分のうちに親戚の滅茶苦茶背が高いおっさんが攻めてくる漫画“親戚の巨人“が一番人気なのです」
主人公のえれん君にお金を借りようと彼を探す親戚、えれんいねぇかぁ。そんな親戚達から10日で倍になるぼったくりの利子で借金を徴収する利倍さんが人気なのだとか。話を聞く限りもうウシ○マ君と化してしまっている。
「…………一番? それはギロギロを除いて、だよね?」
「ギロギロも含めてなのです。というか、ギロギロは今4番人気なのです。どうも展開がマンネリ化していることが原因のようです」
「四番……ギロギロが……?」
「せ、せんせー元気出して……」
「……元気さ、私はいつでも。アミメキリン、ロッジに戻ったらすぐに次の漫画に取り掛かるよ。しばらくは……寝れないね」
あの時私が見た横顔は、今までみてきたオオカミ先生のどの顔よりも狼していた。あと漫画ブームはすぐ終わった。
─────────────────
優しくしてもダメなら、彼女の心に火をつけなければならない。それが、痛みを伴うものだとしても。いや、むしろ自分にしか出来ないことなのだ。
(オオカミ先生の為なら、このアミメ、鬼になります……!)
翌日、さらに大きくなっていたタイリクオオカミのダイエットとして、ロッジ周辺をランニングすることとなった。嫌がる彼女を無理やり外に連れ出す。しかし、タイリクオオカミは走り始めて10秒で音をあげてしまった。
「やっぱり、ダメだ…… もう普通に過ごすことさえままならない。私はもう、ダメなんだ……」
「そんなことないですよ! ほら、もう少し走りましょう!」
つなぎは励まそうとする。しかし、アミメキリンはそれを手で制する。
「えっ? アミメキリンさん……?」
「そうね……ダメかもね……」
アミメキリンは冷たい目でへたれこむタイリクオオカミを見下しながら、そのお腹の肉をつまみつつ呟いた。
「タイリクオオカミは所詮…… 何をやっても中途半端、自分の食欲にも負けてしまう敗北者だから……」
「アミメキリンさん! 何を……!」
つなぎが慌ててアミメキリンを止めるが、彼女の顔は冷ややかである。
「ハァ…ハァ…敗北者……?」
その言葉を受け、息を切らしつつもタイリクオオカミは立ち上がった。
「取り消せよ、アミメキリン、今の言葉……!!」
「かばんや博士に阻まれ、賢狼になれずじまいの永遠にモフモフしちょるだけのファットなウルフが貴方よ……どこに間違いがあるかしら?」
アミメキリンの罵倒は止まらない。
「何年間も作家生、ヒット生まれず、何も得ず…… しまいにゃしまいにゃ大肥満、ぷよぷよお腹の大肥満…! それらでマンガ書けず死ぬ!」
「やめやめろ!!」
「乗るなタイリク戻れぇ!!」
つられてつなぎの口調まで変わる。なんやこれ。
「実に空虚じゃないかしら、人生空虚じゃないかしら……?」
「マンガは私に生き場所くれた! 私にマンガの楽しさくれた!」
「作家は売れないなら価値なし! タイリクオオカミ売れる事無し! タイリクオオカミ敗北者! 売れない! 三流! 負け作家!!」
「タイリクオオカミ人気作家だああぁぁぁ!!」
タイリクオオカミの目に野生の輝きが煌めく。そして──────
気が付くと、タイリクオオカミの体型は元に戻っていた。
「はぁ……はぁ……これは……!?」
散々挑発した後逃げたアミメキリン。その後を追っているうちに、いつの間にか脂肪を燃焼していたのだ。
「良かった…… せんせぇ、負けず嫌いだから…… こうしたら、意地でも追っかけてきてくれるって……」
「もしかして、私が君を追いかけるように、わざと……?」
タイリクオオカミは座り込んでいるアミメキリンの目の前に膝をつく。良く見ると、アミメキリンの目は今にも泣きそうにうるうるしていた。
「オオカミせんせぇ……ごめんなさい…… 本当は……ぼ、ぼんどうば……オオカミぜんぜぇの漫画わだじだいずぎでずううう!! うれないどがいっで、ごめんなざいいいい!! うわぁぁぁん!!」
がしっと抱きつき、タイリクオオカミの胸に顔を埋めるようにして盛大に泣くアミメキリン。おい羨ましいぞそこ代わ(ry
「良いんだ、良いんだよ……わたしこそ……し、心配かけて……ごべんな…… ううう……うわぁぁぁん!!」
片手でアミメキリンの背を抱き、もう片方の手で頭を撫でながらいつの間にかタイリクオオカミも涙を流していた。
そのまま涙が止まらなくなり抱き合ってわんわん泣く二人。
ダイエットという苦難を乗り越え、今ここにタイリクオオカミが全盛期の力を得て帰ってきたのだ。
木陰からこっそり二人の様子を見ていたつなぎだが、無事一件落着したことを確認し、静かにその場を後にした。
「これは、いらなかったですね」
用意していた企画書のような物をビリビリに破いて捨てる。
そこには、つなぎが悪役となりアミメキリンを捕らえ、タイリクオオカミにアミメキリンを助け出させるストーリーが書かれていた。アミメキリンを取り戻す為ならタイリクオオカミは必死になるだろうと思ってのシナリオである。
ぶっちゃけ、こっちの方がいらない黒歴史ほじくり返したり謎敗北者ラップを繰り広げる必要が無かったのだが、それを言ってしまうとアミメキリンの頑張りが意味無くなってしまうので口をつぐんでおこう。
誰も傷付かない、それが最善策では無かったりもする。傷付いたかさぶたが剥がれた後は、きっと前よりも強くなっているのだから。
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