水中探索

天詩

水中探索

あぁ なんだか息がしにくい


溺れているような そんな苦しさ


そうか 苦しいんだ


「苦しい」


でも そう認識したころにはもう遅くって


私は もう海の底にいるの


一度落ちた深海から上がるのは難しい


私は必死に岩壁を上るの


でも決して登れない


ここはそうできているみたい


私たちの努力で登れるようなら


ここはできちゃいないもの


完成してしまった私に


地上での居場所はないみたい


でもここじゃあ長くは生きられない


酸素が足りないもの


息が続く間に


手が 足が


動く限り水中を歩こう


果たして私が求めるのは


酸素ボンベか脱出口か

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

水中探索 天詩 @bell0708

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ