第2話

20××年。まるで安物のSFのように、地球には原因不明の病気がはやっていた。

ある日突然、人々はとりとめもないハミングを始める。中には意味不明ながらも、何かの歌を歌い出すものも少数ながらいる。これが第一段階だ。まだこの時期なら、正気に返る時間も長く何とか日常生活を送ることができる。

第二段階になると歌っている時間が長くなる。その間は自主的に何一つしようとしなくなるので、つきっきりの介護が必要。しかしどんなに献身的に介護しても、歌う事とまどろむ事しかしない人間の、衰えていくことを止める事はできない。

そして第三段階は…死。

医者も科学者もまるでお手上げで、日本の…地球の人口は恐ろしい勢いで減り始めていた。

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