第七章
第七章
製鉄所。
稽古をしている、香織と一絃琴教授の内山先生。
内山先生「うん、上手だねえ。じゃあ、今日の稽古はここまでにするが、次の稽古までに、次のページを予習してきてね。」
香織「ありがとうございます。」
内山先生「また来週、こっちに来るよ。」
香織「ありがとうございます。」
同じころ、裏庭では、製鉄作業が行われている。
寮生A「いいなあ。座敷牢の姉ちゃんが、一絃琴なんか習いだしちゃってさ。」
寮生B「俺たちは、毎日いい音を聞かせてもらっているな。一本しか絃がないっていうんだから、どんな奴でもできるかな。すげえ簡単なんだろうな。」
寮生A「それを言っちゃおしまいよ。きっと、奥の深さを語らせたらきりがないぜ。でもさ、あの姉ちゃんは、内山先生もびっくりしていたほど、いいおと出すなあ。」
村下「ほらほら、鉄だってそれと同じくらいあるんだから、さっさとまさご鉄を入れろ!」
寮生A「ああ、すみませんすみません。」
寮生B「すぐ行きます!」
香織の居室。
一生懸命一絃琴を練習している香織。
そこへ戸を叩く音がする。
香織「は、はい。」
水穂「よく熱心にやっていますね。それなら上達も早いわけですね。」
香織「ええ、すごく面白いんです。」
水穂「それならよかった。紹介してよかったです。」
香織「一本しか絃はないのに、どうしてこんなにいい音が?」
水穂「そう思えるのなら、すごいことです。これからも頑張って弾いていってください。」
香織「水穂さんも、もうお体は大丈夫なんですか?」
水穂「ええ、もう、立てますよ。いつまでも寝ていては、体が鈍りますからね。」
香織「あの、この間は、」
水穂「この間?」
香織「本当にごめんなさい。」
水穂「ごめんなさいって?」
香織「ほら、食べられないもの出してしまって、、、。」
水穂「まだ気にしてらしたんですか?」
香織「ええ、、、。」
水穂「繊細な方ですね。あんまり気にしなくて大丈夫ですよ。誰だって間違えることはありますし。気にしないでください。」
香織「でも私、やっぱり、自分で全部できないといけないと思います。」
水穂「自立をはき違えてはなりませんよ。誰でもできないことはあるんですから。そこはしっかりと認めるべきでしょう。」
香織「できないと、社会的にダメな人間になっちゃうからって。よく、母が言ってました。あんたって子はなんでこんなに教えてもできないんだって。だから、できなきゃいけないって自分で思い込むようにしたんです。私は遅れているから、他の人より厳しくして他の人に追いつくようっていうか、他の人と同じようにできるようにならなければ。そうしなければ、
私は、社会的に生活できないって。」
水穂「できないといいますけれども、一体何ができなかったでしょう?」
香織「全部がです。成績も悪いし、運動だってできないし、感情をコントロールすることもできない。」
水穂「おかしいですね。」
香織「おかしいって何がですか?」
水穂「だって、全部ができないというのなら、内山先生が、あれほどほめたりするでしょうか?今日、お稽古が終わっておかえりになるときに、たぐいまれなる貴重な人材だと言っておられました。」
香織「そ、そんなこと、、、。」
水穂「いや、言っていましたよ。もし、あなたが今言った言葉が真実になるのなら、内山先生は、嘘をついていることになりますね。あなたは、自分の事を少し、卑下しすぎですよ。」
香織「でも、私、それで当たり前だと思っていたから、今更そんなこと言われても、困るだけです。」
水穂「まあ、はじめのころはそうだと思います。誰でも。」
香織「そうでしょう。だから、私には、いい評価も暮らしも与えられないのだと思います。うちの中にずっといたのも、私が悪いのだと思っています。」
水穂「どうしてそう思うんですか?」
香織「だって、私、学校へ行っても何もできないし、かといってほかのことで頑張ろうと思っても、失敗ばっかりで、全くこの子はなんでこんな簡単なこともできないんだって言われる始末ですから。」
水穂「それに対して、怒りも何も感じなかったんですか?」
香織「ええ、事実としてそうでしたから。」
水穂「まあ、客観的に言えばそうなるかもしれないけど、人間はそうはいかないんですよ。例えば、ここで製鉄をやっている子たちもそうだけど、そういう扱いをされた子が、他人の子がそうでないのを目撃した場合、ものすごく怒りがわいて、家の中では大暴れというケースが、これまでに非常に多かったですからね。まあ、僕らはそうなってしまって当たり前だと思います。あなたは、長年座敷牢にいたから、外の世界というものを知らな過ぎて、そうなってしまったのかもしれない。」
香織「それだったら、外に出なかったほうが、正解と言えるのでは?」
水穂「それが、間違いなんですよ。必ず、人間はどこかへ出なければならないのが人間というもので。」
香織「そうでしょうか。生まれてくるべきではなかった人間もいるのではないでしょうか?」
水穂「そういう見たかもありますね。」
香織「でしょう。」
水穂「それはね、あなたを、座敷牢に幽閉した人物がそうなるのではないでしょうか。」
香織「でも私、私を育ててくれた家族ですから、」
水穂「そう思うかもしれないけど、果たしてどうですかね。実は僕も、刑務所にいる妻に向けて手紙をだしたことがあったけど、一度も返事が来たことはありませんでしたよ。」
香織「一度も?」
水穂「まあ、妻を迎えに行けるのは僕だけだから、いつまでも待ってやろうとは思っていますが、、、。」
香織「そうなんですか?」
水穂「ええ。何度か手紙を出したけど、どうしているのかな。たまに刑務官の方から知らせは来ますが、本人から、通知が来たことは全くありません。」
香織「じゃあ、私の家族も、」
水穂「ええ、だって、あなたを気遣うような文面は何もきていませんよ。華岡さんに頼んで、ここで預かっていることを、伝えてもらってあるんですけどね。」
香織「そんな、わたしのことを、一番気にかけていてくれた人たちなのに。」
水穂「それなら、謝罪の手紙でも来るのではないでしょうか。」
と、インターフォンが鳴る。
水穂「誰か来たみたいですね。ちょっと行ってきます。」
玄関のほうへ歩いていく。
勝手に玄関の戸が開いて、華岡が入ってくる。
懍「華岡さん、いきなりドアを開けて、入ってくるのはいかがなものかと思いますが?」
華岡「どうもすみません。今日は、香織さんに伺いたいことがあるのです。」
懍「それは無理ですね。まだ、彼女を警察に連れていくのは無理だと思います。」
華岡「でもですね。俺たちも知りたいことがあるのです。それは何かといいますと、彼女が本当に、監禁される必要があったかということです。」
水穂「華岡さん、捜査はどこまで進んだのです?」
華岡「ええ、まだ、逃亡した彼女の両親が逮捕されていないので、なんともいえませんが。でも、近所の人の話によりますと、高橋香織は、五年ほど前に富士に来たらしいことだけははっきりしています。でも、決して外へ出ることはなかったそうです。」
水穂「でも、存在は知っていたのですか?」
華岡「ええ、時々女性が叫ぶ声がしたものですから、若い女がいることはわかっていたみたいです。」
水穂「教授、はじめから、彼女を閉じ込めるつもりで、こちらに来たのでしょうか。」
懍「その可能性が高いですね。隣のマンションに人が入らなかったのは、その事情を住民が薄々知っていたからと考えられます。杉三さんたちはそれを心配していたのでしょう。」
水穂「それでは、なぜ、彼女が座敷牢に幽閉されなければいけなかったのでしょうか、教授。そこを追求しなければ、何も始まらないでしょう。」
華岡「ああ、彼女がわずかばかりに通っていた、中学校の担任教師に話を聞くことができたんだが、なんでも彼女は、学校で授業中に奇声を上げるなど問題の多い女性だったらしい。」
水穂「じゃあ、彼女の親が、学校に呼び出しを食らうことも多かったわけですかね。」
華岡「まあ、両親が不在なので、それを何とかしてもらおうと聞きに来たわけだ。」
水穂「なるほどね。問題児であれば、その罰として、という可能性はありますね。」
懍「そうですね。おそらく、彼女は発達障害か何かの可能性もあるでしょう。しかし、彼女ほどの年齢で有れば、まだ、これがクローズアップされている時代ではありませんでしたから、変人扱いされてしまうのも、ある意味では当然のことです。そして、彼女自身もうまくそこを解釈することができないで、極度に低い自己評価しかもつことができなかったのでしょうね。そこが奈落の始まりであったと思いますよ。そして、彼女は、精神を病んでいって、泣いたり叫んだりするようになったのでしょうね。扱いに困った彼女の両親は、彼女を座敷牢に閉じ込めておくしかできなかったのだと思います。」
華岡「わかったぞ!教授の推理が正しければ、大変な人権侵害ということになりますね。よし、あとは、行方の分からない彼女の両親を早く見つけ出して、すぐに逮捕することだ!」
懍「いえ、華岡さん。逮捕することができたとしても、さほど重い量刑にはあたらないと思いますよ。なぜなら、世間という同情票がついてまわるでしょう。そして、被害にあったのは、彼女ではなく、彼女の両親と報道される可能性のほうが高いのではないでしょうか。それが、日本の精神医療であり、精神障碍者を取り巻く現状ですよね。この製鉄所が、悪行とされるのも、その同情票のせいだと言わざるを得ないこともあります。」
華岡「あれ、有名なあの映画のせいではなかったんですか、青柳教授。」
懍「もちろん、あれのせいということもありますよ。でも、それだけではございません。いつの時代も、精神障害や、発達障害は、嫌われる傾向が強い。しかしですね、彼らを何とかしなければ、日本社会は変わっていかないと思うのですがね。」
水穂「本当は、そういうところにマスコミが着目してもらいたいものですね、教授。でも、マスコミというものは、肝要なところではなく、変な点ばかりほじくりだすのを得意としますからね。」
懍「そこは置いておきましょう。とにかくですね、彼女には、いずれは出て行ってもらうわけですから、そのために僕らはどうするか、を考えることが最優先です。彼女を幽閉した両親を捕まえることは華岡さんにやってもらえばそれでよいでしょう。とりあえず今は一絃琴の稽古に夢中になっているようですから、これを継続してもらうこと。まずは、何か特技を持ってもらわなければなりませんから。」
華岡「そのためにも、彼女本人に話を聞くことはできませんでしょうかね。」
水穂「だから、今は無理ですよ、華岡さん。」
華岡「そうかあ、、、。残念だ。それでは、また来るかなあ。」
水穂「あんまりしつこくこっちには来ないでくださいね。でないと、彼女がまた、傷ついてしまいますからね。彼女に限らず、この製鉄所に来る人は、本当にデリケートなところがあるのですから。」
華岡「わかったよ、水穂さん。じゃあ、また、出直すから。」
と、軽く一礼して、製鉄所を出ていく。
水穂「また鳴らしてますね、一絃琴。」
懍のスマートフォンが鳴る。
懍「はい、青柳でございます。ああ、内山先生。お世話になります。」
声「突然のお願いで申し訳ないのですが、あの、高橋香織さんに、今度開かれる演奏会に出演していただくというわけにはいきませんでしょうかね。」
懍「演奏会に出演ですか?」
声「そうなんです。実は、うちの生徒で有力なものがいたのですが、今日その者が、指を損傷してしまったそうでして。ご存知の通り、一絃琴というものは、指を壊したら、何もできなくなりますから。それで、代役をお願いしたいんですよ。」
懍「曲は?」
声「はい、美吉野という曲なんですが、ご存知ないでしょうか。」
懍「美吉野。知ってますよ。まあ、あれくらいであれば、彼女も弾きこなすことはできると思いますよ。で、演奏会の時間と場所は?」
声「はい、来月の下旬に、浅間神社で行われるミニライブです。」
壁に貼ってある、カレンダーを見る懍。
懍「ああ、ひと月練習期間があるわけですね。それなら、こなせるかもしれません。いいでしょう。彼女に伝えておきます。」
声「本当ですか!青柳先生。」
懍「構いませんよ、僕は。むしろ、彼女が本領発揮してくれる場所ができて、うれしく思っております。じゃあ、彼女に、そちらへ連絡させるようにしますので、よろしくお願いします。はい、どうも。」
電話を切る。
水穂「大丈夫ですかねえ、彼女。」
懍「大丈夫だと思いますよ。ああいう場所で、超人的な才能を発揮するものは多いですよ。彼女のような者は。」
水穂「そうですね。僕もそういう境遇の人をたくさん見ましたからわかります。」
懍「すぐに伝達しましょうか。」
水穂「そうですね。僕が伝えてきます。」
懍「お願いします。」
水穂「行ってきます。」
と、香織の居室に歩いていく。
香織の居室。相変わらず、一絃琴の音がなっている。
水穂「入りますよ。香織さん。」
香織「あ、さっきは、警察の方だったんですか?」
水穂「はい。」
香織「じゃあ、私も何か聞かれるのかな?」
水穂「そうかもしれませんね。そうなったら、しっかり答えをだしてくださいね。それよりも、一つ、お願いがあるのです。先ほど、内山先生から、電話がありましてね、あなたに、演奏会に出場してほしいという依頼なんですよ。僕たちは、これは、実力を試すいい機会だと思いますから、ぜひとも出ていただきたいところですが、どうでしょうか。」
香織「私に、できるでしょうか。それに曲は何でしょうか。」
水穂「美吉野という曲ですが、ご存知でしょうか。」
香織「わかりました!じゃあ、すぐに内山先生に連絡をしてみますから、電話をかしていただけないでしょうか。私、スマートフォンをもっていないので。」
水穂「いいですよ。こちらにいらしてください。」
応接室に移動していく二人。
香織「失礼いたします。電話を貸していただけないでしょうか。」
懍「いいですよ。これでどうぞ。」
と、スマートフォンを手渡す。
香織「ありがとうございます!」
翌日、速達郵便で「美吉野」の楽譜が届いたので、早速香織は練習を始めた。
木村病院の玄関。
看護師「じゃあ、帰ってもらうけど、くれぐれも、針で自傷行為には走らないでちょうだいよ。」
由紀夫「はい、決していたしません!」
杉三「気にしないのが一番だ。それが一番の薬さ。」
由紀夫「もう、自分を変に卑下したり、変に傷つけたりすることはしませんから!」
藤吉郎「大丈夫。」
杉三「じゃあ、しばらくは僕のうちにいてくれていいからね。道具なんかもうちの空き部屋に運んでもらった。早速仕事をしてもらいたいんだ。頼める?」
看護師「あんまり無理はさせないでちょうだいよ。出ないと再発しちゃうから。」
杉三「いやいや、そういって外から離してしまうよりも、外の世界で一生懸命やらせたほうが、早く回復するってもんよ。じゃあ、どうもありがとうございました!」
由紀夫「ありがとうございました!」
藤吉郎「はい。」
目の前に、タクシーがやってきたので、運転手に手伝ってもらってそれに乗り込む。
杉三の家。
美千恵「おかえり。あんたたちが迎えに行っている間に、お祝いとしてまたザッハートルテを買ってきたから食べよう!」
由紀夫「ザッハートルテですか!そんな高級なもの、」
美千恵「気にしない気にしない。それよりも、思いっきり食べちゃいなさい。」
由紀夫「あ、ありがとうございます。」
涙を流す由紀夫。
杉三「泣いてどうするんだ。」
由紀夫「いや、わかりませんが、本当に涙が出てしまいまして、、、。」
杉三「じゃあ、僕は、カレーを作ってくる!」
美千恵「ハイハイ、あんまり長く煮込まないで頂戴ね。時間はないわよ!」
藤吉郎「由紀夫さん。」
由紀夫「は、はい。どうしたんですか。」
藤吉郎「これ。」
と、テーブルの上に置いてあった一枚の着物を顎で示す。
杉三「そうそう。馬鹿吉が、君に何か頼みたいそうだよ。」
藤吉郎「直して。」
由紀夫「何を直すのですか?」
藤吉郎「袖。」
由紀夫「袖をどうするんです?」
藤吉郎「短く。」
由紀夫「確認しますね。」
と、その着物を取る。女性ものの花柄の着物で、確かに袖の長さが、50センチを超えてしまっている。
由紀夫「ああ、これですか。わかりました。これを切ればいいんですね。すぐにやりますよ。」
美千恵「かわいい着物じゃない。誰の?」
藤吉郎「お母さんの。」
由紀夫「ああ、なるほどね。わかりました。じゃあ、ご飯を食べたらすぐに直しますので。」
美千恵「馬鹿吉さんのお母さんも結構お洒落なのねえ。」
インターフォンが鳴る。
杉三「はいはいどなた?」
声「杉ちゃん、突然押しかけてごめん、ちょっとお願いがある。」
杉三「水穂さんだ。いいよ、上がってきてくれる?」
声「わかったよ。」
と、ガチャンと戸が開いて、水穂が、香織と一緒に入ってくる。
美千恵「あら、水穂さんいらっしゃい。」
香織「初めまして。私、高橋香織です。」
美千恵「どうぞよろしく。」
水穂「あの、和裁士さんいる?今日退院して、こっちに越したみたいだけど。」
美千恵「いますよ。どうかしたの?」
水穂「じつはですね。彼女に礼装を仕立ててもらいたいと思いましてね。」
美千恵「まあ、礼装?結婚式でもあるの?」
水穂「いや、そうじゃないんですけどね。彼女が、一絃琴の演奏会に出ることになったので。」
美千恵「あら、それはすごいじゃないの。ぜひ作ってもらいましょう。この際だから、思いっきり派手にしてもいいんじゃない?」
水穂「まあ、あまりにも華美ではまずいですが、舞台に立つわけですからね。反物は、こちらで持ってきますから。」
美千恵「いっそのこと、彼女に買いに行かせたら?」
水穂「ああ、それでもいいですよね。たぶん寸法は、本裁ちの、一番小さいサイズでいいと思うんです。今までは、四つ身でお願いしていたんですが、だいぶ体も回復してきたので。」
確かに、香織は、体を隠す肉を付け始めていた。
美千恵「そうね。じゃあ、明日あたりでも、呉服屋さんに行って、反物を買ってきてあげてよ。」
と、そこで座っていた由紀夫が急に立ち上がる。
由紀夫「僕も行きます!」
水穂「由紀夫さんどうしたんですか?」
由紀夫はしばらく考えて、
由紀夫「いや、仕立てる側が付いたほうがいいと思います。」
藤吉郎「好きなの。」
由紀夫「違います違います!ただ、仕立てる側として、アドバイスできたらなと思って。」
杉三「あれえ、答えは見えてるんだけどなあ。」
香織「私も、そのほうが安心です。アドバイスしてくれる人がいてくれたほうが。」
杉三「ほら、よかったね。それじゃあ、明日、二人そろって、呉服屋さんまで行ってきな。カレーができたよ。冷めちゃうぜ。」
香織「あ、私たちは帰りましょうか。」
杉三「いや、ここはカップル成立を祝って、みんなで食べていってよ。」
由紀夫「杉ちゃん、まだ、そうなったわけじゃ。」
香織「まだ、なんの準備も。」
水穂「二人とも、互いの気持ちを素直に認めたらどうですか。」
藤吉郎「おめでとう。」
杉三「よし、カップル成立を記念して乾杯だ!」
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