首輪とエサのない主従関係とは

 あの、あれです、私が初めて性交渉に及んだ人の話ですこれ。自分の中でそこに至る過程を整理したいだけなので、別に最中のことを書くわけでも何でもないです。パンツは履いてください。


 中学生のころ、インターネットに触れる機会が増えて、色々交流したくなってたくさんのチャットサイトに顔を出してまして。そこで知り合った男性と連絡先を交換して、三日に一回は連絡を取り合うような関係が続いていました。

 この頃の私はまだ携帯電話を持っていなかったので、家族共用のパソコンから夜中こっそりアクセスして繋がりを保っていました。

 加えてインターネットリテラシーがまだ十分に養われておらず、住所こそ知らせてはいませんがたくさんの個人的な見世物を相手に提供してしまっていて。別に脅されていたのではなく、あくまで自主的に提供していたような気がします。気にかけてくれるし、褒めてくれるし、すごく優しいように見えていました。


 題に主従関係、とある通り私は彼のことをなぜかご主人様、と呼んでいたのを覚えているのですが、反対に彼から私は何と呼ばれていたのか思い出せないでいます。彼は私と半年くらいインターネット越しに連絡を取り続け、生理周期を管理し、決して近くない道のりで私の地元までやってきて、たった一度、私に性的な手解きを受けさせました。


 そのあと、何を思ったのか家に帰った私はおもむろにパソコンを立ち上げて彼の連絡先を消去しました。このため彼の意向の消息諸々は全く不明です。

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