第10話

「試合、開始」

試合が始まった。私は敵を観察しどういう動きか癖かを瞬時に見分ける特技を持っている。そして技術もちゃんとある。だから敵にとっては驚異、味方にとっては頼もしい人になる(らしい)。最初は木野さんと先輩がジャンプボールをする。木野さんの方が先に取る。そして透馬に渡した。

「久田さん、黒側くんの事マーク」

きっと透馬は黒側くんの方にボールを渡すつもりだったのだろう。

「チッ」

透馬が舌打ちをした。他は全てマークをしている。私と透馬の1on1だ。透馬はきっと今いる所からシュートするだろう。今はコートの半分から透馬のチーム側のゴールに5歩歩いた所らへんだ。だけれど透馬はゴールに入れるのは得意だ。透馬がシュートの体制に入る。私はジャンプをしてボールを奪いそこから10歩程離れた所からシュート。ゴールに入った。

「ピッ」

笛が鳴った。

「よしっ」

歓声が上がる。流れをつかんだ。

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