第3話吸血鬼のつぶやき③
私はその場で固まった。
突然ドアが開くと人間が入ってきた。
「今、ここでしたことはここに全部録画されている」
それは魔法で壊したはずの監視カメラに写っている私の姿だった。
しまった。ここは調べていなかった。私は段ボールに空いている小さな穴を見た。ここに隠された監視カメラがあったのだ。さらに人間が言った。
「おっと。私を襲って殺してうやむやにしようなど考えないように。なぜなら同時に録画されたものが中央本部の方にコピーで転送されているからな。これが公開されたらどういうことになるか分かっているな」
私は静かにうなずくことしかできなかった。
「しかし私や会社は人間だ。鬼ではない。お前も血液を摂らないと困ったことになるだろう。だから生きるのに必要な量の血液を渡す。しかし会社では無給で働け」
私は再び静かにうなずくことしかできなかった。涙が頬を伝う。
だって奴らは人間。私たちは血液を摂るかもしれないが、奴らは血も涙もない。
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