お姉ちゃんはBOOKOFF推し
「ねぇ。なんでお姉ちゃんは本屋に行かないの?」
「高いんだもん。よっぽどBook Offにいた方がいいよ。」
「でも、欲しい本が見つからないことだってあるじゃん。」
「どうして?」
「え?いや、どうしてって…だって一度誰かが買って、さらにそれが売られなきゃいけないんだよ?そしたら欲しい本が都合よくあることなんてないんじゃ…。」
「欲しい本なんて予め決めておくものじゃないでしょ?もしかしてあんた、先に欲しい本に調べておくわけ?」
「調べておくっていうか、これ読んでみたいなっていう本って自然と見つかるじゃん。」
「そんなの図書館行けばお金なしで読めるじゃん。」
「じゃあどうしてお姉ちゃんはBook Offにしか行かないの?」
「あそこに並んでる本は、誰かが一度手に取って、本屋でわざわざ高いお金払って買ったものでしょ?そこまでして買うには、理由があるじゃん。その理由は分からないけど、本屋でも、図書館でも分からないのは、どの本が読まれたか読まれていないかなんだよ。読まれたかどうかも分からない本にお金払って、もしもくだらない内容だったらどうするわけ?私は、確実に一度人に読まれた本を、その場の気分で買って読む。それを続けていれば、どこかできっと、人が本当に必要としているものが見えてくるんじゃないかって。」
妙な寝起きだ。寝癖がひどく荒れていることは、触らなくとも感じることができる。
「おはよ。」
「あーおはよ。」
「何読んでるの?まだ六時半だよ?」
「今やってるアニメがものすんごくおもしろくて。それで次回予告見たらこれからの展開が気になっちゃって、ついついマンガを買ってしまったわけ。」
「どこで、買ったの?」
「はい?そこの本屋だけど。」
「そっか、まぁいいや。先にご飯食べてるから。」
本屋と聞いて安心した。でも、アニメになるくらいだから人気なことは分かっていたはずだし…。いやいや、そんなばかな。次回予告を見てマンガまで買っちゃうお姉ちゃんだ。大丈夫、大丈夫。
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