第7話

「最後の一つはあなたに。」


女の子がさっきの青いガラス玉を差し出した。


「これを、どうすればいいの?」


それを受け取りしっかり握る。何故だかそれはなんとなく温かいような気がした。


「食べて。何も考えずに飲み込んで。」


「無理だよ。ビー玉は食べちゃ駄目なんだよ?のどに詰まって死んじゃうよ。」


びっくりして抗議するも、女の子に微笑まれた。その目はまだ青いままだった。


「私がさっき食べたの見たでしょう?大丈夫。それはもうさっきのビー玉ではないから。」


確かに握るそれはビー玉ではない。なんだか分からないけど、透き通るように青く光っているようにも見える。



「さぁ、飲んで。」



青い目に見つめられ何も考えられなくなった。


気がつくと私はその青いガラス玉を飲み込んでいた。


意識が遠のく。


最後に目に映ったのは無邪気に笑う、

美しい女の子だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る