第5話

急いで女の子のもとへ行こうと足を踏み出した…はずだった。

いくら力をこめても足は全く動かない。足どころか体が動かない。

動くのは両の目のみ。声は出ない。


じっと遠くの女の子を見つめる。


どれほどそうしていただろう。

ずっと上を見ていた女の子が不意に正面を向き、ポケットから何かを取り出す。よくみると青く輝いている。


私があげたビー玉だ!!


女の子は何のためらいもなくそれをひとつ、ふたつと飲み込んでいく。

びっくりして見ていると、ついにみっつ目も飲んでしまった。

女の子はまたこちらを向いて微笑む。



その目はおそろしいくらいに青く輝いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る