わがヴィーン時代の一般的政治考察3

 帝国がその内部において、ここの諸民族の血みどろの闘争によって激しく痙攣しているにも関わらず、外国、特にドイツはただヴィーンの愛想のよい姿だけを見ていた。ヴィーンはこの時代におそらく最後の、そして最大の興隆を示していたように見えたので、それだけにその錯覚も大きかった。


 本当に天才的な市長の支配のもとで老帝国の皇帝の尊厳な住居は今一度驚くべき若々しい生に目覚めていた。公式にはいわゆる『政治家』に数えられなかったが、オストマルクの植民民族の系列から生まれた最後の偉大なドイツ人で、同時にこの「帝国の首都であり、国王の居住都市」たるヴィーンの市長としてルエーガー博士は次から次へと市の経済と文化政策のあらゆる領域に未曾有の業績を魔術で呼び寄せるように残した。


 彼は全帝国の心臓部を強化し、この回り道を通って当時のいわゆる『外交官』がみんな集まったよりも、もっと偉大な政治家になった。

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