家庭の中の両親14
こうして学んだ歴史的な考え方は、その後も決して忘れなかった。世界史は現代の歴史的行動、つまり政治の源であった。私はその際、「学ぼう」とするのではなく、教えてもらうことにした。
私はかなり若い時期に政治的革命家となったが、芸術的にもまたそうであった。
オーストリアの地方都市には、当時として比較的悪くない劇場があった。そこでは様々なものが上映された。
十二歳のとき、私ははじめて「ヴェルヘルム・テル」を見た。それから二・三ヶ月後、「ローエングリーン」を見たのが、私がオペラを見た最初である。
私はその一度で惹きつけられた。バイロイトの巨匠に対する感激はとどまることを知らなかった。私は彼の作品を何度も見た。地方上映は珍しかったので、逆に印象深くなったことは幸運だったのかもしれない。
これらは全て生意気盛り(私にとっては苦しいときだったが)を過ぎた後に、父が私に選んだ職業への嫌悪を確かめることになった。私は公務員として幸せになれないとますます思うようになったのだ。それは、実技学校で私の絵が認められてからさらに強くなった。
しかし、年をとるにつれて建築への興味も湧いてきた。私はそのころ、これは画家になるための当然の才能だと思い、こうして芸術家としての才能が広がっていくことを喜んでいた。
これがいつの日か変わるというこことを、私は考えもしなかった。
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