第2話 癒しの天使ラファエル
目を覚ますと僕は、女性の目の前にいた。
「おはようございますユリスさん調子はいかがですか?」
女性は笑顔でこっちを向いていた。
何で僕の名前を知っているのか
いや、それ以前に僕はさっきゴブリンに殺されて死んでいるはずじゃ…
それじゃあここは天国?
「あの…失礼ですが、どなたでしょうか?僕はさっき死んだはずだし何で僕の名前を知っているんですか?」
僕は疑問に思ったことをきいてみる。
「失礼、私はラフォーレ国の大天使ラファエルでございます。今いる世界は私の力で創った仮初めの世界。簡単にいうとあの世とこの世の境目だと思ってくれればいいです
あなたにはお願いがあってここに呼び寄せたのです」
大天使様が何の用かは知らないけど僕はまだ死んでいないのか?それより、僕にお願いだなんてなんなんだ?
「お願いってなんでしょうか?死んでしまった身の僕には特にお力になれないと思いますが…」
正直、今の僕の頭は疑問とこの状態においてものすごいゴチャゴチャになっている。
「では、お願いの説明をさせていただきましょう。あなたはこの世界が4つに分かれていて各四大天使が国家を持っていることはご存知ですか?」
「はい。それくらいの常識なら誰でも知っていると思いますが…僕が住んでいる国、大天使ミカエルが治めるコンゲール国・大天使ガブリエルが治めるエクレール国・大天使ウリエルが治めるフラムエール国、そして大天使ラファエルが治めるラフォーレ国。ですよね?」
そう、これは誰もが知っている常識でありこの世の成りである。しかしそれがどうしたのだろうか?
「その通り、そしてお願いしたいのはこの後の話しなのです。今コンゲール国とエクレール国が国家対立をしているのです。この2つの国に挟まれるラフォーレ国は中立を維持しており、なんとか平和は保っているもののいつ戦争が起こるか不安なのです。
対立の理由は不明、フラムエール国は謎の結界によって侵入不可能。よって2国が何かを起こす時に必ずラフォーレ国を通らないといけないのです。私は国を簡単に空けることはできないので、あなたに行ってもらおうと思いこうして話しているのでございます。
身勝手な話であることは承知の上ですが、どうかお願いいたします」
そういってラファエルは頭を下げてきた。
「顔を上げてくださいラファエル様。
僕は構わないのですが、すでに死んでしまっているのでどうしようもないかと思います。」
そう、もう僕は死んでいるのだ。そんな状態で何かができると思わない。
「大丈夫です。私の癒しの力でもう一度生を与えましょう。そのようなことは本来天使の掟で禁じられているのですが、今回はそうもいってられません。恐らく、生き返ってもその場に先ほどのゴブリンがいるかと思いますが以前私がミカエルからいただいた聖剣をあげますのでそれで切り抜けてください。
戦闘のまじないが掛けてあるので使えば剣が闘い方を教えてくれるはずです」
そんな大事なもの貰っちゃっていいのか?
などと思うことは沢山あるのだが…
「わかりました。そのお役目、僕が引き受けます!」
「ありがとうございます!では剣と一緒にこのペンダントを…
これがあればピンチな時にあなたを救ってくれます」
と、緑色に輝いた雫型のペンダントを受け取った。」
そしてしばらくすると体がだんだん浮きはじめ、どんどん昇っていった。
「時間です。ラフォーレ国に来た時にはぜひ私のところまで来てください!
ご武運を!」
その言葉をきいた直後僕の視界は真っ暗になった。
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