後編

私の目の前には、何故か《・・・》先輩の寝顔があった。

…………え、どういうこと!?な、なんで先輩の寝顔が私の目の前にあるの!?

どうしてこんな状況になったのかは、どうでもいいですけど、いや、よくはないですけど、それを知ることは今必要なことではないのです。

…ふふ、それにしても先輩の寝顔は、可愛いですね。

普段の先輩は、私のことをからかってばかりなので、これは、私が先輩のことをからかういい材料になるかもしれません。写真を撮ったかないとですね。

「パシャ」

……ふふ、なかなかいい写真が撮れました。これは、スマホの待ち受けにするのもいいかもですね。

「……う、ああ、どうやら僕は寝てしまっていたようだね。おはよう姫」

先輩が起きてしまいました。残念です。もうちょっとだけ見ていたかったです。

「おはようございます。先輩」

「うん。おはよう。ところで。姫はさっきなんで僕の顔の写真を撮ったのかな?」

「え、先輩起きてたんですか!?」

「うん、写真を撮る時に出る音でね」

「そうですか」

「そう。で、なんで写真を撮ったのかな?」

「それは、先輩の寝顔をスマホの待ち受けにするためです」

え、私なに言っちゃってるの!

「あ、せ、先輩さっき言ったことは、違いますからね!私が先輩の寝顔を撮ったのは、いつか私が先輩のことをからかうための材料として撮っただけですからね!そこのところを勘違いしないようにお願いしますよ!」

「ふーん、まあ、そういうことにしといてあげるよ。姫」

「なんですかその顔は、先輩!」

「いや、普通の顔だよ。僕の顔は」

「そんなことないです!」

「そうかもしれないね。と、もうこんな時間か。じゃあ、これから僕は予定があるから。失礼するね。ああ、冷蔵庫に僕が作ったお粥が入ってるから、よかったら食べといてね」

「はい。私のためにお粥作ってくれてありがとうございました」

「気にしないでね。ああ、でも、よかったら今度感想を聞かせてくれると嬉しいかな」

「そうですか、じゃあまた今度感想いいますね」

「じゃあ、また今度」

「はい」



********

「先輩が、作ったお粥おいしすぎるんですけど。私よりも上手な気がする。私も練習しなくちゃいけないな」

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先輩は私を────しすぎです! 夏蓮 @ennka

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