第17話『これだけ読めばOK!総集編』

 時に、西暦2098年。

 世界は人類存亡を賭けた最終戦争のさなかにあった。

 敵の名は、パラレイド。

 次元転移ディストーション・リープで時間も空間も問わず現れる、謎の機動兵器群……国を大地ごと消し飛ばし、何度も地図を過去の遺物へと更新し続ける脅威。それがパラレイド。

 全地球規模で戦争が日常化した中、学生達もまた幼年兵ようねんへいとして戦っていた。

 女子供、一般人でも馴染みやすい主力兵器は、人の姿をしたパンツァー・モータロイド。通称PMRパメラは全高7メートル前後の人型機動兵器ロボット、戦場の主役である。

 少年少女たちは今、鋼の防人さきもりへと魂をともして戦う。

 いざ、鈍色にびいろの青春を突き抜けて……未来に、あらがえ!


 消滅した北海道、地獄の最前線から帰還した男……摺木統矢スルギトウヤ皇立兵練予備校こうりつへいれんよびこう青森校区あおもりこうくへと転校してきた彼は、戦死した幼馴染の更紗サラサりんなから機体を引き継ぐ。

 大破し擱座かくざしたそのPMRは、97式【氷蓮ひょうれん】……本土ではパーツ調達もままならない、北海道戦線に集中して先行配備されていた最新鋭機だ。

 復讐心を憎悪で燃やし、全てを憎んで【氷蓮】を修理する統矢。

 そんな彼を不思議と助けてくれる、クラス委員の五百雀千雪イオジャクチユキ。彼女がほのかに寄せる恋慕れんぼの情にも気付かぬまま、統矢は千雪の力を借りて【氷蓮】を蘇らせた。そして、エースだけを選抜した戦技教導部せんぎきょうどうぶの仲間たちと共に、パラレイドとの戦いを再び始める。そして、セラフ級と呼ばれる一騎当千の人型巨大パラレイドを次々とほふるのだった。


 戦いの中、憎しみで己を駆り立てる統矢。

 だが、千雪の想いに応えた瞬間、その恋は奪われてしまう。千雪の死は、統矢を再びキルマシーンへと変貌させてしまった。だが、れんふぁの献身で彼は己を取り戻し、れんふぁの気持ちにも向き合うようになる。

 そして、さらなる転機が統矢の決意を磨き上げてゆく。

 死んだかと思われた千雪は、全身の半分以上を機械化して生きていた。そして再び、統矢を支えて戦うとちかってくれたのだ。

 パラレイドの正体が明らかになる中、激闘の中で愛が育まれてゆく。

 パラレイド……それは、平行世界の未来から来る、。統矢達の世界と違い、異星人との星間戦争を経験、敗戦を喫したもう一つの未来だったのだ。パラレイドは、自分達と異なる世界線でDUSTERダスター能力者を育てるべく、試練を与える意味で戦争をしかけてくるのである。

 そして、パラレイドを率いる首魁しゅかい……それはれんふぁの曽祖父そうそふ


 パラレイドが並行世界を行き来し、繰り返し輪廻転生りんねてんせいするための装置……それが、リレイド・リレイズ・システム。あらゆる世界線に同時に存在し、その全ての世界に存在しない究極の不確定存在である。

 このシステムがある限り、パラレイドは無限に平行世界から増援を送り込んでくる。

 だが、ついにシステムをこちらの世界で破壊する機会が訪れた! あらゆる平行世界を彷徨さまおyうリレイド・リレイズ・システムが、わずかな時間だが月の裏側に実体化した。即座に破壊すべく、月へ向かう統矢……だが、そこにはグラビティ・ケイジ展開能力に特化したセラフ級パラレイドと、システムを防衛する要塞都市ようさいとしが待ち受けていた。

 激闘の中、統矢は千雪達と一緒に要塞都市の地下空間へと到達する。

 そこから先には、パンツァー・モータロイドを降りた白兵戦が待っているのだった!

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