第29話 文章漫才:お洒落
『2018年3月9日(金曜日)』
主なニュース:
・SNSで動画を投稿すると回答した人のうち、毎日投稿派が半年で2倍に。
・イチロー選手がキャンプに合流する時のTシャツが
ここ数年話題になっていたが、
今年のスタートは無地の白シャツから。
ボケ:はいどうも、よろしくお願いします。
SNSで動画を投稿すると回答した人のうち、毎日投稿派が半年で2倍に。
僕らもまさに、今やってるもんね。
こみ:いやこれ動画じゃねぇよ、
バリバリのテキストでやらさせて頂いているだろ。
ボケ:動画だよ、だからお洒落にもすごく気を遣っているんだ。
こみ:動画ではない、あとお洒落も見えない。
ボケ:じゃあお洒落の説明だけさせて。
こみ:勝手にすればいい。
ボケ:まずこのジーパンね。
こみ:普通だな、オマエのお洒落のスタート、普通だな。
ボケ:手作りのジーパン。
こみ:いやジーパンを手作りするって、かなりお洒落だな。
ボケ:雑巾を縫い合わせて作ったジーパン。
こみ:じゃあジーパンじゃない、雑パンだな。
ボケ:そしてアクセントとして、お尻に門松を差している。
こみ:痛そうだな、まず思ったこと、それは痛そうだな。
ボケ:痛くて重いんだ。
こみ:じゃあ外せ。
ボケ:上半身は見るも無残な新品のYシャツ。
こみ:じゃあ全然無残じゃない、ただただ整っている。
ボケ:アクセントに肩に大きめの生ハムをかけている。
こみ:見るも無残な新品のYシャツになったな、おい。
ボケ:鷹匠でもないのに、鷹が寄ってくる。
こみ:危ないな! 早くその生ハム捨てろ!
ボケ:食べます。
こみ:何か汚っ、ずっと肩に乗っけてた生ハム食べるの多分汚っ。
ボケ:雨宿りしても肩だけはずっと、はみ出てたけども、うまい!
こみ:そんな元気にうまいって言われても、いいなぁとはならない。
ボケ:この、肩に乗せた生ハムを食べる動画、人気出ろ!
こみ:だから動画じゃないんだって。
ボケ:じゃあ僕らは一体何なんだい!
こみ:文章上の漫才師だから、動画でも絵でもない。
ボケ:その分、恰好の説明する時、ネタバレしないね。やった!
こみ:じゃあそれはまあいいけども、それは利点の1つだけども。
それにしても毎日動画を投稿するって大変だよな。
ボケ:肩が痛くなるよね。
こみ:まあ録画機器によってはそうかもしれないけど、
クリエイティブな面で大変という話だったんだけども。
ボケ:それはもうサイコロの出た目で楽勝だよ。
こみ:サイコロにテーマでも貼っておくのか。
ボケ:いや、1が出れば1分の動画、6が出れば6分の動画。
こみ:クリエイティブな部分の根本的な解決になってない!
ボケ:そして自分の寝顔をとる。
こみ:どこから出てきたそれ!
あと、全然つまんなそうだな! 知らん人の寝顔!
ボケ:結局いっつも30分くらい撮れちゃう。
こみ:寝ているからな、というか編集しろ。
ボケ:撮って出しってヤツだね。
こみ:じゃあサイコロのくだりいらない!
ボケ:これを毎日やれば簡単。
こみ:何かもう、アップロードする時間が面倒になるわ。
そんな意味無い動画を投稿するんだったら。
ボケ:でも毎日別のパジャマを着ていたらどうかな。
こみ:じゃあもうファッションチェックでいいと思う。
ボケ:そうかっ! そうするよ! 助言ありがとう!
こみ:オマエ、そんな投稿、毎日やっていたんだ、寝顔の。
ボケ:毎日じゃないけどね。
こみ:毎日という話なんだよ! この時事のキモは!
ボケ:じゃあ別の時事にしちゃう、
イチロー選手がキャンプに合流する時のTシャツが
ここ数年話題になっていたけども、
今年もスタートは無地の白シャツからだってさ。
こみ:強引に話題を変えたな。
去年もスタートは無地で徐々に面白くなっていたんだよな。
ボケ:というわけで僕も今、お色直ししましたっ!
こみ:自由だな、文章上の漫才は。
ボケ:まず下はジーパンから別のズボンに変えました。
こみ:まずジーパンじゃなかったけどな。
ボケ:剣道の胴にしました。
こみ:じゃあ下じゃない!
ボケ:いや下の位置に胴をつけてみました。
こみ:あっ! 後ろから見るとパンツ丸出しじゃねぇか!
ボケ:でも文章上の漫才なので汚くない!
こみ:まあパンツ丸出しでも汚い人と汚くない人がいるけども。
ボケ:僕はわりと汚いほうなので、文章で良かったよ。
こみ:そうか、確かに汚いな、白ブリーフにシミも多いし。
ボケ:一昨日、ビールこぼしちゃって。
こみ:何でブリーフでビール飲むんだよ。
あと一昨日のブリーフを未だに穿いているんじゃない。
ボケ:そういうわけで、上半身は見るも無残な新品のTシャツです。
こみ:絵柄は何なんだ。
ボケ:見ての通りです。
こみ:いや説明しろよ。
ボケ:見れば分かるじゃないか。
こみ:いや文章上の漫才だから分からねぇんだよ。
ボケ:そうだっけ?
こみ:そうだとオマエも認識していただろ!
ブリーフの件を忘れたのか!
ボケ:じゃあ説明しますよ……無地のTシャツです!
こみ:ためるほどのことじゃない!
ボケ:イチローと一緒というわけです。
こみ:このタイミングでの時事感はいいんだよ、
ここはしっかりとボケてくれよ。
ボケ:イチローのTシャツが面白くなるにつれて、
僕のTシャツも面白くなるんだっ。
こみ:いやこの漫才、全30話だから、明日で終わりだから、
イチローのTシャツが面白くなる前に終わる!
ボケ:それが時事!
こみ:いやボケてくれれば良かったんだよ、もういいよ。
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