第27話 文章漫才:心の炎
|『2018年3月7日(水曜日)』
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|主なニュース:
|・R-1ぐらんぷり、盲目の漫談家・濱田祐太郎さんが優勝。
|・イチロー選手がマリナーズ所属へ。44歳で現役のメジャーリーガー。
|・ハウステンボスにて球状型で移動式の水上ホテル公開。
|・ジェフ・ベゾス氏、初の長者世界一、アマゾン・コムのCEO。
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|ボケ:はいどうも、よろしくお願いします。
|こみ:いやまずツッコむけどさ。
|ボケ:早いね、僕まだボケてないよ。
|こみ:そうなんだけど、この隣の縦棒は何なの?
|ボケ:心の導火線だよ。
|こみ:何だよ心の導火線って。
|ボケ:僕にやる気が漲った時、炎がつくんだ。
|こみ:いいよ、視覚化しなくて。
|ボケ:今日はこの漫才でいくから。
|こみ:そもそもずっとやる気充満でいろよ、
| 何まだ炎ついてない状態なんだよ。
|ボケ:徐々にやる気は出てくるもんだから、
| それは致し方ない。
|こみ:まあ時事漫才するか、R-1ぐらんぷり、
| 盲目の漫談家・濱田祐太郎さんが優勝。
| まあしゃべりが達者だったね、うらやましい。
|ボケ:あぁ!
炎こみ:熱い! 何だ! 左横がめっちゃ熱い!
| あっ! これか! これがやる気の炎か!
|ボケ:触発されてもう、漫談家になる勢いだよ!
|こみ:別に派生の形だから漫才でいいだろ。
| というか何で俺のところが熱くなるんだよ!
|ボケ:僕のところが熱くなったら、
| 熱くなったネタバレになるじゃないか。
|こみ:いいよ、それくらいのネタバレ。
| ネットで文章見る時って、
| 一行ずつスクロールするわけじゃないから、
| 全然見えているから、一行分は。
|ボケ:そうかな。
炎こみ:熱い! やたら熱い!
| このストーブ、今動いていたんですね、
| くらいの急な熱さ!
| というか今のタイミングは何だよ!
|ボケ:濱田祐太郎さんが優勝の余韻。
|こみ:言葉にもその余韻感出せよ!
| というか導火線なら2回炎無くていい!
|ボケ:いや何度でも炎をくべるシステムだからさ。
|こみ:結構嫌になるくらい熱いんだけどな……。
|ボケ:イチロー選手がマリナーズ所属へ!
炎こみ:熱い!
| 予想していたけども、やっぱり声が出るほど熱い!
|ボケ:44歳で現役のメジャーリーガー!
炎こみ:熱いって!
|ボケ:ちょっと!
|こみ:何だよ、何が不満なんだよ、その顔。
|ボケ:一行で僕のターンに回さないでよ!
| 炎の範囲に少し入っていて、熱いんだっ!
|こみ:直火じゃないんだからいいだろ!
| 何だオマエ! この細かく改行台詞は
| 今日の漫才まで見越していたのかよ!
|ボケ:それは見越していない!
|こみ:まあいないだろうなぁ!
|ボケ:通常のメジャーリーガーにしても
| 4歳って珍しいみたいだね。
|こみ:44歳な、まあ4歳は本当に珍しいだろうけど。
|ボケ:よっしゃ!
炎こみ:熱い! 急にどうした!
| どこに熱くなるポイントあったんだよ!
|ボケ:めちゃくちゃウケた!
|こみ:全然だわ!
| 数字変えただけのボケはボケとも言えない!
| その程度のレベルじゃねぇか!
|ボケ:僕にはめちゃくちゃウケている客席が見える。
|こみ:俺には、なんなら客席も見えないわ!
| 何だよ! 今日全然時事でボケてないな!
|ボケ:あぁ!
炎こみ:熱い! あるのはやる気だけ!
| 時事でボケろよ!
|ボケ:時事、ジジイ。
|こみ:そういうことじゃねぇよ!
| 別の話題へ行くぞ!
| ハウステンボスにて球状型で移動式の水上ホテル公開。
|ボケ:何それ、面白そうだね。
水こみ:冷たい! って! 導火線に水が!
| オマエ! 炎じゃなくて水が出たぞ!
|ボケ:水上のことを考えてしまった。
水こみ:冷たっ! めちゃくちゃ考えるな、水のこと!
| 一応説明すると、直径6.4メートルの2階建て。
|ボケ:ほほう。
水こみ:……6キロ移動する船扱いの水上ホテルだって。
|ボケ:いいね。
水こみ:いや! すごい勢いで水上ホテルのことばっか!
| 急速に導火線が冷えていってるぞ!
|ボケ:水に囲まれちゃって、今涼しすぎだよ。
休こみ:ついに休む気に!
| やる気の炎はどうしたんだよ!
|ボケ:結構、僕、今日も漫才頑張ったしなぁ。
休こみ:今日は特に頑張ってねぇよ! 全然ボケてない!
|ボケ:いや数字でボケたし……。
休こみ:いや俺が休んでいるみたいになってる!
| もう熱い・冷たいはいいから休みだけは止めてくれ!
|ボケ:ふぁーあ。
休こみ:ついに生あくび! 俺も何か休みたくなってきたよ!
| 休みの圧をずっと喰らっているから!
| 別のニュースへいくぞ!
| ジェフ・ベゾス氏、初の長者世界一へ。
|ボケ:へ。
屁こみ:クサい! へ(え)って発音したんだよ!
| 文章でも分かるだろ! 屁って何だよ!
|ボケ:いや今のはマジで屁をしただけさ。
屁こみ:2発! 2発目! 勘弁してくれよ!
| 表示させなくたっていいじゃないか!
| バレないから! 絶対バレないから!
|ボケ:まあね。
実こみ:実って何だよ! 何を出したんだよ!
| 禁断の実じゃねぇか! 禁断の三段落ち!
|ボケ:ポケットから果実を取り出しただけさ。
|こみ:じゃあいいけどなぁっ!
| この長者世界一と聞いてやる気出ないのかよ!
|ボケ:遠すぎ。
|こみ:まあ存在が遠すぎるけども!
|ボケ:でも待てよ、僕がお金のことを考えたら、
| 君の隣に金が出現するんじゃ……君!
| 出現したと同時にその金を手に入れるんだ!
|こみ:……導火線という設定は!
|ボケ:そこはもういいじゃない、今を楽しもう。
|こみ:まあ俺も金欲しいからやるけども!
|ボケ:いいね!
|こみ:さぁ、来い!
|ボケ:……。
|こみ:黙るなんて本気だな、本気で考えているな。
|ボケ:……はい!
欲こみ:あっ、ダメだ、欲が出ちゃってる。
|ボケ:いやもう1回!
|こみ:自分に対してスパルタだなぁ、こんな時は。
|ボケ:……はい!
お金持ちになりたいこみ:あぁ、長台詞出ちゃった、
| ついに長台詞が出ちゃった。
| 完全に俺がそういうヤツになって。
| ボケ:まだまだ!
| こみ:いや、もう俺さ、
| 導火線から離れちゃったから
| もう出たとしても
| 手が届かないわ。
| ボケ:クソゥ!
| こみ:もういいな。
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