第17話 6万年前の壁画

『2018年2月25日(日曜日)』(2)




主なニュース:

・ネアンデルタール人も記号を扱う思考を持っていた可能性がある


「はいどうも、よろしくお願いします」

「ネアンデルタール人もさ」

「えっ?」

「ネアンデルタール人もさ」

「えっ?」

「いや、ネアンデルタール人もさ」

「えっ? 何回聞いても、睨んでる大統領って聞こえるんだけど合ってる?」

「じゃあ違うわ、特に後半がもう全然違うわ、ネアンデルタール人」

「睨んでるタイ人? Jリーグに良い選手獲られたから」

「違う、まあ睨んでるも違う」

「睨んでるも違うなら最初から言ってよ!」

「違うとは言ってた、ネアンデル、まずはネアンデル」

「寝、編んでる? 寝ながら何編んでるんだよ、マフラーか!」

「そこはもう繋げてカタカナで」

「カタカナだったらなんでもアリじゃないか!」

「まあよくは分からないけども、カタカナの、じゃあそのなんでもアリ状態にしといてくれ」

「カタカナの語句ってもうなんでもアリじゃん」

「まあどこの国が語源かによって、法則性があるんだけどな。まあネアンデルのあとに、タール人」

「はい出ました、タイ人」

「タール人ね」

「伸ばし棒あったりする?」

「ある」

「ターイ人ね」

「タイ人に伸ばし棒をつけるんじゃなくて、タール」

「ジンはどこにいったんだよ!」

「分かりやすく徐々に言ってるんだよ、タール・ジン、合わせてネアンデルタール人」

「最後のスパートがキツすぎるよ!」

「じゃあもういいや、旧人、新旧の旧に人で、旧人の話」

「何人だよ!」

「旧人なんだよ」

「じゃあタイ人かタイ人じゃないかで言って!」

「タイ人じゃない」

「あぁ、6万年前の人類の祖先、ネアンデルタール人、つまり旧人の話ね」

「何で一気に全部分かったんだよ! まあ分かったんならいいけども!」

「で、何の話?」

「4万年前に描かれていたと思われていた壁画が、実は6万年以上前に描かれていた壁画で」

「えっ?」

「今度はどこに引っかかったんだよ」

「タイ人?」

「今度はどこに引っかかったんだよ! 全然分かんないわ!」

「4タイ人と6タイ人って何? タイ人の多数決の様子を写したVTR?」

「6タイ人のほうに決まりましたじゃねぇんだよ、万年、万年ビリとかの万年」

「あぁ、万年優勝の万年ね」

「万年の時はだいたい悪いほうだよ、良いほうで万年使わねぇよ」

「えっ? 今の悪いほうの万年なの?」

「いや普通の万年、4万年と6万年の万年」

「ネマンネンタール人」

「……タイ人じゃない」

「あぁ、6万年前の人類の祖先、ネアンデルタール人、つまり旧人の話で、4万年前に描かれていたと思われていた壁画が、実は6万年以上前に描かれていた壁画で、どうしたんだい?」

「何でその一個の情報で一気に最後までいけるんだよ、まあ分かったならいいけどさ、話続けるぞ」

「どんどん続けて」

「その壁画には記号が描かれていて、今までは旧人は記号を扱う思考は持ち合わせていないという話だったのに」

「えっ?」

「……タイ人じゃない」

「それは知ってるよ!」

「あぁ、もう通用しないんだ、これでは」

「記号を扱う思考を持っていなかったって馬鹿だねぇ」

「いや続き続き、という話だったのに実は記号を扱う思考を持っていたという話なんだよ」

「いやでもそれぐらい普通じゃない、僕だって普通に記号使えるよ」

「今の人だからな!」

「記号クイズ出してよ、全部答えるから」

「じゃあ簡単に、長めの縦棒にその下に点で、何という意味の記号?」

「ちょっと、言葉だけだとやっぱり難しいね、名称を教えて」

「感嘆符」

「簡単部じゃなくて! 簡単な部類を略して簡単部って言われても! 部活か!」

「いや感嘆符」

「えっ?」

「感嘆符、部じゃなくて、符な、符号の符」

「……いつものヤツで教えて」

「いつものヤツ?」

「いつもの二択で教えて」

「……タイ人じゃない」

「あぁ、感嘆符ね」

「復活した! タイ人ではないということを消すことにより理解するテクニックが復活した!」

「感嘆符の意味ね、何だろう、感嘆かな、感嘆符だし」

「別のボキャブラリーで答えて、せっかくのクイズだし」

「感嘆以外の言葉では伝えられないだろ!」

「あるじゃん、○○○く、みたいな」

「マルク? 何か強そうな外国人の名前?」

「今の○は○個分のひらがなが入るという意味の丸」

「ひらがなで何文字?」

「4文字」

「漢字使うと何文字?」

「2文字かな」

「頭文字は?」

「お」

「2文字目は?」

「ど」

「……大ヒントちょうだい!」

「もう怒涛の大ヒントだったわ! おど○く! ら行から一文字選出してみろ!」

「おどまるく、おどまるくん……消しゴムのまとまるくんって関係ある?」

「無いよ! 文字を入れろよ! ○の中に! オマエ、○って言葉ちゃんと記号で浮かんでいるのか!」

「丸の記号? (△)これかな? うん、浮かんでる浮かんでる」

「本当に浮かんでるだろうな! 角とか無いよな! その記号に!」

「角はあるよ! 鬼の角みたいだよ!」

「じゃあ○ではない! 円形のヤツ! いやもういいわ! 驚く! 感嘆符は驚くのマーク!」

「言われると分かるよ」

「そりゃそうだろうよ! 言われても分かんないヤツと知識の共有できないわ!」

「で、丸ってどんな記号だっけ?」

「野球とかに使うボールの形!」

「ラグビーの!」

「あれは違う! サッカーとかテニスとか!」

「分かりづらいな! アメフトって言ってよ!」

「だからそれは形が違うんだよ! タイヤ! 車のタイヤみたいな形!」

「あぁ、溝がいっぱいあって」

「じゃあ違う!」

「いやタイヤには溝がいっぱいあるでしょ」

「まあ厳密にはそうだけど、えぇー、丸も浮かばないヤツもう無理だわー」

「別の問題にしてよ! それなら答えられるから!」

「じゃあハテナマークってどういう意味か分かるか」

「それも分かんない」

「合ってる、合ってる……俺がオマエに合わせただけ!」

「分かんないって言ったのに合ってるってなんなんだい!」

「……タイ人じゃない」

「あぁ、丸って水晶とかの○ね、あとハテナマークは疑問、クエスチョンね」

「何でそれで分かるんだよ! もういいよ」

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