第15話 枕投げ
『2018年2月24日(土曜日)』
主なニュース:
・第6回全日本枕投げ大会開催
・週末は北日本で暴風雪に注意
・Jリーグ史上初の金曜開幕戦に
「はいどうも、よろしくお願いします。今日と明日で第6回全日本枕投げ大会だね」
「大将に当てるか、2分間を戦って人数が多く残っていたほうが勝ちのヤツな」
「大将は俊敏性あるのがいいよね、野犬とか」
「野犬は馬鹿だから当たるだろ、訓練された犬にしろ」
「巨大な熊とかどうかな」
「ヒットする範囲が大きくなるのは違うと思うな」
「じゃあ毒サソリにしよう」
「まず味方が危険なんだよ、毒のサソリは絶対いらないから、味方に毒を振りかざすだろ」
「人数が多く残っていたほうが勝ちってルールだと、元々人数多いほうが有利だね」
「そこは平等の人数で戦うんだよ」
「じゃあ戦国時代ではないんだね」
「まあ戦国時代ではないだろうな」
「枕に毒ぬる必要もないね」
「戦国時代じゃないからな。まあ枕に毒ぬったところで、枕では体に傷つかないからギリギリセーフだけども」
「枕に味噌ぬる必要もないね」
「それはもうどの時代でもないね。今の時代も戦国時代も、もったいないって思うだけだな」
「枕を高速で撃ちだすマシーンはどうかな」
「近代戦争になってきたな、それはナシだろう」
「じゃあ味噌を高速で撃ちだすマシーンはどうかな」
「勢いよく何を調理したいんだという話になるな」
「大将が事前に顔に味噌ぬってたらどうかな」
「馬鹿だなぁ、って思うなぁ」
「味噌ぬった大将を野犬の群れの中に放り込んだらどうかな」
「絶体絶命だと思う、何の話だ、途中から何の話だ、枕投げはどうした」
「勿論、味噌ぬった大将は枕で攻撃出来るよ」
「でもまあ絶体絶命だろうな、味噌ぬっておいしくなっちゃってるからな」
「待って! 味噌ぬった大将は枕を高速で作れるマシーンを持っていたら!」
「もういいわ! 味噌ぬった大将の話!」
「じゃあ話変えるよ、今週末は北日本で暴風雪に注意だってさ」
「もう2月も終わりなのに、まだ暴風雪って今年すごいな」
「外で枕投げ出来ないよね」
「外で枕投げしないだろ、外に枕置かないから外で枕投げしないだろ」
「するとしたら、雪なのか枕の綿なのか分からないね」
「いやまあ分かるだろうけども、冷たいのが雪だろうけども」
「枕当てて欲しいよね、逆に」
「一瞬だけだけどな、枕に触れて温かくなるの」
「結局早めに寝ようって話になるね」
「まあ外で寝ちゃダメだけど」
「多分この試合も早めに寝たんだろうなという話があるんだけど」
「外で枕投げを正式にした試合なんてあんのかよ」
「Jリーグが史上初、金曜開幕戦したんだけども、1-1でドローだから多分途中で寝たよ」
「まず枕投げの試合じゃない!」
「あっ! 枕投げじゃないのっ? 1-1のロースコアだから結構早めに寝たんだと思ったら!」
「サッカーだよ、サッカーの1-1はありがちだから」
「でも僕の聞いた情報は枕投げだったよ」
「どこで聞いたんだよ」
「まず鳥栖が枕投げPKで先制して」
「枕投げPKってなんだよ」
「あっ、まずエリア内で倒されたんだけども」
「枕投げ大会はルール上、相手のエリアに入っちゃダメなんだけどな」
「枕投げPKというのは、1対1で枕投げるほうと受けるほうの枕投げPKさ」
「あんまり点入りそうにないな、受けるほうがしっかり構えると案外当たらないから、枕投げって」
「でもそれで泣きながら先制して」
「泣きながらという情報はサッカーだとしても無かったなぁ」
「それで前半戦を折り返して」
「前半戦?」
「あぁ、45分ね」
「サッカーと一緒の情報! その時点で早めに寝てないじゃん!」
「でも僕はこう聞いたから」
「無敵の言葉だな、僕はこう聞いたからって」
「後半戦は神戸が猛攻を仕掛けて、なんとか左足のボレーで一点を返したんだ」
「枕投げで左足のボレーって何?」
「相手が投げてきた枕を左足のボレーで撃ち返したんだよ」
「いやキャッチ以外のタッチは負けだろ! ボレーでダイレクトに触れたらダメだろ!」
「で、寝たと」
「絶対サッカーとごっちゃになってるから! その枕投げの試合!」
「でも僕はこう聞いたから」
「会話になんねぇな、その台詞」
「じゃあこの情報サッカーかぁ、何か正直鳥栖の時点でサッカーぽいなぁとは思ったんだよね」
「結構序盤でそう思ってたんだ」
「だって鳥栖ってあと、コイントスしかないじゃん」
「他にもあるけどな、トスという言葉の利用法」
「サッカーのPKの先攻・後攻で使うコインくれよって思うし」
「全然関係無い話」
「コインだから欲しくなるわけだから、枕にすればいいのにと思う」
「言っている意味がよく分からないが、高級な枕を、決めるトスに使っていたらどう思う」
「欲しいかな」
「じゃあもう今さっきの台詞は全面撤回でいいな」
「全面撤回するよ、あーぁ、高級な枕が欲しいなぁ」
「相方に変なスイッチを入れてしまったようだ、ちなみに枕投げ大会の優勝賞金は10万円だってさ」
「もっと高い枕が欲しい」
「何急なその強欲枕スイッチ」
「2mくらいある枕ね」
「高いって大きさのこと? いや頭置けないだろ、もはや壁だろ、ただの」
「その枕で暴風雪をガードしながら枕投げをしたいね」
「だから外でしようとするな、もういいよ」
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