第5話 想い出と幸せ

お腹の大きなシロネコさんが

そこには居ました

そして小さな子供が二匹

クロネコさんは

オドオドしながら


「・・・シロ?・・・

 妊娠してるの?

 子供も?」


同性だと思っていたら

実はシロネコさんは

メスでした

クロネコさんが

オスでした


「うん。ぼ・・・私

 実はメスだったみたい

あの日・・・クロが

 好きみたいって

 母に告げたら」



メス同士は結婚できないわよ?

心のつながりは持てても


クロネコさんは察しました。

ずっと、クロネコさんは

リボンが好きだったから

つけていました


逆にシロネコさんは

スカートとかが嫌いなため

男の子らしい服が

好きだったのでした

だからお互いに

誤解をしていました。

シロママもですが


「クロがオスだって

 わかってたら・・・

 ごめんなさい」


ママ〜〜ママ〜〜って

隣で甘える子供に急かされ


消え入るように

クロネコさんの前から

姿を消しました


お互いわだかまりが

増えてゆくばかりです

それからしばらくが経ちました


シロネコさんは、

いそいそと手紙を書きました

もちろんクロネコさん宛に

姿を消してから、

偶然会った日に

言えなかった事まで

手紙にしました。


どうか、どうか

クロネコさんが幸せな

家庭を持ってますようにと

願う一心で。



【クロへ


 今更ながらとは思いますが、

 ちゃんと伝えなきゃと

 手紙を出しました。

 突然いなくなってしまった事を

 謝っても許して

 もらえるとは思っていません

 まして、偶然再会した時には

 私は妊婦で子供が二人いて

 驚かしてしまいましたね

 本当にごめんなさい。

 私は未婚のまま母になりました。

 ヤケになっていました

 子供は可愛いので

 癒されています。

 ただわがままが言えたなら

 貴方の子供が欲しかった。

 貴方と家庭を持ちたかった・・・

 クロは幸せな家庭を

 築いてください。

さよなら。

  あからさまに

  さすらいの方

  つきみびより

  てきとやないか

あんたにいわれた

  さすがに

  あたりまえ

  キレてしまうよ

      ライセンス


シロより】



そしてクロネコさんの

手元に手紙が届いて

内容を見て

クロネコさんは

慌てて走り出した。


「あのバカ

 勝手な事言いやがって。

 俺は・・・」


「・・・シロ!!」


「!!。」


息を切らして

たどり着いた場所には

シロネコさんがいました


「おい。バカ

 勝手に消えて

変な手紙よこして

 はっきり言えよ!!」


怒り混じりに言うクロネコさん


「・・・子供いるけど

 ・・・妊婦だけど・・・

ぼくをお嫁さんにしてください」


泣きそうになりながら

言うシロネコさんに対して


「え?おい待て 今の無し」


慌てて地面を

掘り返しながら

待ったをかけた

シロネコさんは

泣き出しました


泣かしてしまい

アワアワするクロネコさん


「あいや…違う

 そうじゃないえっと

 ・・・あった」



「よし。シロ、

 俺はお前が好きだ。

 ずっとおまえを探してた

 けど見つからなくて

 なかば諦めかけてた。

 見つからないのに

 指輪を買ってしまうほど

 シロが好きだ。

 偶然シロに再会して

 ショックを受けた・・・

 指輪を想い出ごと

 埋めてしまいたくて

 タイムカプセルを

 埋めた場所にココに来た。

 そして掘り返して気がついた

 シロは子持ちだけど未婚で

 俺が好きなんだとわかった。

 そしてこの手紙

 最後だけ縦読みなんだよ

 わけわからんからな」


シロネコさんは、

クロネコさんに

明後日の朝で諦め

来世では結ばれていたい

的な内容を

書いて送っていたのでした


シロネコさんは

意味を理解してくれた事と

クロネコさんが

子供がいても好きだと

言ってくれて嬉しくて

嬉しくて更に泣きました

それから二人は恋人関係を

すっ飛ばし家族になりました


クロママとシロネコさんは

溝ができてしまいましたが

そのあたりはクロネコさんが

フォローしてくれるのでした







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シロネコ親子と周囲 まきもの @fkm

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