第2話

「一緒に遊びましょ?」

屈託のない世の穢れを知らなそうな顔をした子が僕に言った。

自分を遊びに誘ってくる事はおろか、話しかけられる経験が無かったから僕は反応に困った。

そんな僕を見て彼女は柔和に笑いながらもう1回言った。

「一緒に遊びません?」

これがあの子との最初の会話だった。

それから一気に仲良くなりなんでも話せる仲になった。僕はこの世で1番幸せなんじゃないかと思う程幸せだった。

瞬く間に時は過ぎていき、気づけば小学生生活あと1年となっていた。

この時点で僕が異変に気づいてれば、もうちょっとあの子のことを見ていれば、あの時、あの時、あの時が積み重なっていく――――――――――――

本当に自分は愚かだ。

昔も今も。

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君の見た風景 月華紅雨 @tukisame

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