32. 補助犬(盲導犬、聴導犬、介助犬)の認知を 基本編
あなたは、「身体障害者補助犬」という名前を聞いたことはあるだろうか。
盲導犬、聴導犬、介助犬の総称だ。縮めて「補助犬」とも呼ぶ。
かく言う私も、調べてみるまで「総称」があるとまでは、知りもしなかった。
日本では、2002年に「身体障害者補助犬法」というものが施行された。
内容としては。障がい者の自立と社会参加の促進を目的に施行された法律だ。
例えばスーパーやコンビニ、病院やレストランなど、不特定多数の人たちが利用する場所は、補助犬を連れた障がい者たちも安心して利用できるということを定めている法律となる。
今回は、私たちの知らない「補助犬の紹介、現状」を見ていこう。
まず、盲導犬。
彼らがサポートする相手は、目がまったく見えない、または見えにくい、という人たちだ。
障害物を避けたり、段差や角を教えたり、安全に歩くための補助をする。
道路交通法や身体障害者補助犬法という法律でも認められていて、目の不自由な人と一緒に電車やバスに乗ったり、店内などに入ることができる。
……本来なら。
聴導犬。
彼らは、耳の聞こえない人、聞こえにくい人たちに必要な情報を伝えてくれる。
例えば。生活で必要な音(玄関のチャイムが鳴ったなど)をタッチして教え、音源に導いてくれるのだ。
彼らも、盲導犬と同じく法で認められていて、本来なら電車にもバスにものれるし、店内に入ることもちゃんと認められている。
……本来なら。
そして、介助犬。
介助犬は、手や足に障がいのある人の手助けをするために、特別な訓練を積んでいる。
例えば。身体の不自由な人のために、落とした物を拾う、ドアの開閉、指示された物を持ってくるというものから。
不測の事態が起きた時に人を呼びに行ったり、緊急ボタンを押すといった緊急対応など、日常生活の手助けをしてくれる。
盲導犬が、目の不自由な人の目となって障害物や曲がり角の存在を知らせるように、介助犬は肢体不自由者の手足となり、日常生活における動作の補助をする。
調べるまでもなく、彼らも「身体障害者補助犬法」で認められている。
……はず、なのだが。
これらには、問題点がある。
一番、この中では知る人は多いかもしれない、盲導犬。
それでも、周りの理解がないせいで「ペット」扱いされることもあり、「ペットは入店できません」と、言われてしまうことも多いという。
そして逆に。
補助犬であることが、この中では一番気付かれにくいかもしれないのが、聴導犬。
なにせ、「耳が不自由」というのは、パッと見からは認識が難しい。
介助犬に至っては、まずそもそも「介助犬」という存在そのものを知らない、というひともいるだろう。
(そこに関しては、聴導犬も当てはまりそうだし、これは私の「主観」とするとして)
本来なら、補助犬は病院にも入れるし、緊急事態に救急車にも同伴できる。
しかし、世間の認知がないがために。
「犬だから」
その一言で、全てを片付けられてしまい、辛い思いをする羽目になることも多いという。
この問題で、何が大切なのか。
私は、「認識と理解」だと思う。
まずは、そういう情報を知ること。そして、知り得た情報を周りに広めること。
あとは、「その場」に居合わせた時に、相手が困ってたりしたなら。ただそこで一言。
「大丈夫ですよ」
そう言って、味方になるだけだって、当人にとっては救いにもなる。
最後に。
補助犬はみんな、ちゃんと訓練を経て、その役についている。
バートナーの人間には、衣食住。つまりはしっかりご飯を与え、シャンプーやブラッシングなどの体の清潔も保つよう、指示をされている。
そうして、家ではコミュニケーションもとり、互いに信頼関係を築いているのだ。
もし、それでも「犬だから」と言い、受け入れたくないのなら。
そっと、あなたは離れればいい。
そうするのも、選択肢の一つだと思えばいい。
決して、むやみやたらに騒ぎたてて、目の前で否定はしないであげてほしい。
そう、強く想う。
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