27. 寄り添うということ
どうすれば、いいのだろう。
どうしたら、そのひとの痛みに、寄り添うことができるのだろう。
ひとのなかには、その「心に寄り添う」ことが、いとも容易く出来る人もいれば、逆に困難を極める人もいる。
そのつもりはないのに、いつの間にか結果として「寄り添って」いたというひともいるし、頑張って、一生懸命近づいているつもりでも、実際はなかなか上手くいかない、なんてひともいるだろう。
ふと、私は思う。
「頑張って寄り添おう」と言ううちは、まだ無理だ。そこは、力むところではない気がする。
ただまずは、「聞く」だけでもいいんだ。
そして、それを想像して、自分の事のように感じてみる。
そうして。
「大変だったんだね」
「頑張ったね」
「無理しなくていいんだよ」
そんな、簡単な言葉でも、いいんだ。あとは、感情が表情に追いついてくる。
そう言うと、「それが難しいんだ」と、声が聞こえそうだけれど。
だから、日頃から「想像力」を高めるのも、1つの大事な手だ。
まるでそれが、自分の身に起こった事のように喜んで、怒って、悲しんで、笑う。それを日頃から、ちょっとだけオーバー気味に感じるのも良い。
その「喜怒哀楽」を見せるだけでも、時には容易く、ひとの心を揺り動かすこともあるのだから。
そういうのは、意外と伝染する事も多いものだ。
たぶん、この話に関しては、頭で考えるだけじゃ上手くいかないと思う。
「寄り添う」
難しいようで、思うよりは単純。
身近な言葉のくせに、一筋縄ではいかないこともある。
どろどろとした、ひとの嫉妬。
きらきらとした、子どもの眼。
ぽろぽろと落ちる、誰かの涙。
たくさんの音で奏でる、笑い声。
それは、人間が「感情」を司る生き物である所以だろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます