18. 何処かのだれかへ -それぞれのふつう-

 「ふつう」というのは、一つじゃない。


 とあるひとが言う。

「お年寄りとか、障がい者とかに、バスや道で先を譲るのは、普通でしょ!?」


 確かに、「ふつう」かもしれない。

 けれどそれは、一般的に言う善人にとってのことだ。その普通で考えると、悪人は譲ってはくれないということか。

 

 しかし、この世の中には「善人、悪人」のほかにも、数えきれないほどたくさんの人の考えがあって。

 その考えの元、それぞれに違う「ふつう」があるものだ。

 そして、もっと言えば。

 「善人」の中にも、同じ善人はいない。

 ところどころ変わっているのが、「人格」というものではないだろうか。



「自分は、障がい者だから」

と。

 そこで、自分の中の「当たり前」を作ってはいけない。

 「しょうがないじゃないか」と、開き直るのも、違うと思う。

 

 ひとは、どこまで大人になっても。どんなに偉い立場になっても。

 「感謝」を忘れてはいけないと思う。


「〜〜!! こっちは障がい者なんだぞ!」


 「平等に」というのは、両方(健常者、障がい者)の立場が、お互いに歩みよることも必要だ。

 片方が、偉ぶったり気を遣っていたりと、「無理やりに」しても、いつかは綻びが入り、壊れるものだ。

 だから「平等」というのは、なかなかに難しい。

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