17. 「平等」の裏側にあるもの

 よく人は、

「みんな平等に」

と言う。

 けれど、ひとにはそれぞれ「個性」があるものだ。

 

「みんなが同じにふるまわないと」

「あの子だけ、みんなと違う」

「どうして?」

「違うのはおかしい」

「あの子は変だ、悪い子だ」


 そういう、「型にはまらない子」は「異端」とされやすい。異端な子は、攻撃を受けやすい。

 

 「教育」というのは。

 「学校」というのは。

 どこかおかしい部分がある。


 「個性を大切に」

と言うわりには、「ひとと違う子」には厳しい。

 大人がそうするものだから、子供もそれの真似をする。

 そういうことが重なり、「いじめ」へと繋がるのだと思う。


 子どもというのは。大人たちが思う以上に、それの背中を見て、その言葉を聞いて育つ。

 そんな考え方の「先生」に教えられて「生徒」は間違った覚え事をする。


 いつから、そんな場所になったのか。

 昔、寺子屋を初めて開いた大人達は、どんな気持ちでいたのだろうか。

 そして。「今」に喜ぶのか、それとも嘆くのか。


 「少し変わった子」を、クセの強い子、だとか。

 そんなふうに、それを認めてくれる大人が一人でも。

 たったひとりでもいれば、きっとそれは「救い」になるだろうに。

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