登った大人の階段編

9. 誰しも、好き好んで強くなる人ばかりじゃない

 障がい者はかわいそう。

 障がい者ってすごい。

 自分には耐えられない。 

 自分はそこまで強くない。


 ――障がい者って、たくましい。



 パラリンピックに出る選手や、テレビの番組に出てくる「障がい者」に対して、なんとなく、そんな印象を受けるひともいることだろう。

 だが、私はこう思う。

「彼らは生きていく中で、「強くたくましく」なるしかなかったんだ」と。


――それは、人の視線。

――それは、心ない人からの罵倒。

――それは、この「世の中」の生き辛さ。


 それらのことに耐えるために、自分や、周りは。

 何ものにも揺るがない、精神力。そして。

 「強さ」や「しぶとさ」を持つことが必要になったのではないか、と。

 もちろん、それは私の勝手なイメージではあるが。

 ――そんな世の中に、いつなったのか。


 けれど、「強くなる」のは。我慢することともいえると思う。そして我慢は、いつかどこかで爆発するものだ。

 


 例えば。健常者の「爆発」が、精神の病を発症させることもある。

 それが、この「生き辛い世の中」なんだろう。


 だから。できることなら。

 ――誰しもが、そんな無理に「強く」なる必要のないような。

 そんな世の中を、つくることはできないのだろうかと、日々思う今日この頃。

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