3. 望む側 ―犬とひと―

たまには、専門外な、「予測」でしかないことを。考えてみようと思う。

 


 町中で、「人ではない動物」は、様々な意味で、人目を引く。

 「人」ばかりの生活をしていれば、当然だろう。

 日本では、だいたいを「ペット」と位置づける。

 けれど、それの位置付けが、ペットとは違った「犬」なら?


 「盲導犬」、「介助犬」、「聴導犬」……。彼らは、人ではない。けれど、ともにいる人の一部になるのだ、……おそらく。

 それは、ともにいる人からしたら、何者にも変え難い「パートナー」だろう。



 とある、事件があった。

 電車の中で、誰かが盲導犬に暴力を振るったのだ。

 彼の犬らは、「ひとが大好きに」なるように、育てられたともいう。だから、彼らは、「ひとに望まれて」そこにいるのだ。

 そんな彼らに、私達人間は、なんの権利があって、そこにいないことを望むというのだろうか。



 ――ただただ、悲しいと思う。

 彼らは、見返りを求めるわけでもなく、ひとのために、そこにいる。なのに「望む側」のはずの、人が、そんなにも、冷たく当たるのは。とても、悲しい。

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