第5話
なんだ・・?黒装が黒装の間から出てきたことなんて今までなかったぞ?そもそも左手を覆うだけで精一杯だったんだ。何かきっかけがあるのか?そんな間にもビルは距離を詰めてきている。
直進から眼帯をしている右側に回るようにして左のブロー、下に回避しつつ枝分かれしたままの黒装を振るう。それを飛んで回避しそのままかかと落としを繰り出してくるのを前に転がって避けた。振り向き際に放たれる光球を黒装で防ぐ。
剣術以外の動きもかなり速い。型にはまった戦い方というよりかは貧民街のステゴロ闘法に似ている感じだ。純粋な身体能力であの速度は相当戦いなれているが、騎士団で殴り合いでもしているのか右足のハイキックからヒットした瞬間右足で双連脚で体制を崩される。目の前には構えられた右手。
右肩が貫かれた。
「ぐぅぅぅぅ・・・!」
「痛いかぁ?痛いだろうよ!貧民風情が貴族に盾突くからだバーカ!」
騎士道もくそもねえなコイツ・・・試合始まってから口悪すぎだろ普段は猫被ってるってことか。
「いたぶってから倒そうと思ったんだがなぁ理解が及ばないことが起きているみたいだし、早々にケリを付けさせてもらうぜぇ。」
両手を広げてじりじりと近寄ってくる
「そうか、随分と余裕がないみたいだな強者ならどんな時でも臨機応変にピンチすらチャンスに変えるってもんじゃないか?」
「真の強者は油断も手加減もせずどんな相手でも全力で叩きのめすもんよ。それが相手に対する敬意ってもんだ。」
「さっきいたぶるとか言ってた人間とは思えない発言だな。」
「全力ではあったさ、戦いに手は抜かない。相手が自分と同じ憑き人なら尚更だ。」
「なるほど、見上げた精神だ。さすが騎士団副団長様、感服するぜ。それでも!」
油断しているビルの顔面に拳を叩き込む。後方に吹っ飛んでいく
「優位を取ったと勘違いして構えもせず近づいてくるのはアホがすることだぜ」
土埃を振り払いながら起き上がる
「殺す!」
「聞き飽きた。」
空中にばら撒かれる無数の光球。向けられる右手、閃光が放たれた。
「避けられるか!?ほぼ全方位にフラッシュのおまけつきだ!立ってられたならほめてやるよぉ!」
まばゆい閃光が収まったあとそこに立っていたのは体を貫かれながらも左手を掲げたダリアの姿だった。
「ハッハッハッハッハッハ!いい様だなぁ!あれだけの光球よくもまあ立ってられたもんだ!だがそうじゃなきゃ面白くねえ!」
そういいながらもフラッシュを使った反動でビルもしばらく動けそうにない。そんな中全身血だらけのダリアの口が歪むように笑った
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