第2話
闘技場中央、円形のフィールドの周りには堀があり下には剣山のようになっており中世ヨーロッパを彷彿とさせるフィールドである。100年経っても建造物の形は昔ながらだな・・・安全性を考えて客席には保護魔法が張られている。投擲魔法を使うやつもいるしな。
その中心で向かい合っている俺とアルタイル。めっちゃ睨んでんなぁ・・・恰好は準決までと同じ兜を外したほぼフルアーマーの状態に銀剣に銀盾。本気と言っていたが不動の形は変えないのか?
「よろしくね、君も本気で来るといい。お互いに手加減なしだ。」
「ああ、さすがに本気出さないであんたに勝てるほど己惚れてない。出し惜しみはなしだ。」
「それを聞いて安心したよ。」
試合開始のアナウンスが鳴る
「さあ!皆さまお待ちかね!決勝戦の開始だぁあああああああああああああああああああああああああ!中央リング!黒のライダースに身を包んだ謎の男ォ!貧民層出身!ダァァァァァリアアアアアアアア=コォォォォォォォォネリウスゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!」
すげえ巻き舌だな・・・しかも決勝まで来るとこんなに盛り上がるのか。観客はそうでもなさそうだが、まあ貧民層出身ならこんなもんか。
「そしてそんなダリア=コーネリウスのお相手がなんとぉ!あの明星の騎士団3番隊副隊長!ビル=アァァァァァァァァァァァルタアァァァァァァイルゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!!!!!!!!!」
waaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
・・・ここまでアウェイだといっそ清々しいな。あの野郎もさっきの仕返しとも言わんばかり爽やかスマイルを向けながら応えてやがるし、相当頭に来たご様子で。
そんなことを考えているとビルが近寄り手を差し伸べている。
「なんのつもりだ?」
「なに、観客へのサービスみたいなもんさ。ほら」
仕方なく握手に応じる。すると
「おぉっと!?ビル氏がダリアに握手を差し伸べたァ!正々堂々!たとえ相手が格下でも敬意を持って戦うという意思表示かァ!?」
おい実況。これから戦おうとする人間の戦意を削ぐようなこと言ってんじゃねえはたから見れば勝負なんて決まって見えるだろうがだとしてもそんなこと言うもんじゃないだろ。一応不動のスタイルにも対策は考えてんだぜ?
「さぁ!両者の紹介も終わったところでルールの確認だァ!ルールは簡単!相手が死ぬか!降参したら負け!魔法!武器!なんでもありのデスマッチ!場外の剣山に落ちてもOK!そこから復帰してもなにも問題はありません!」
場外に落ちたら大体の人間は死ぬけどな・・・。たまに復帰する輩もいるが大体狩られるし。おし、そろそろかビルに拳を構える。
「では参りましょう!!ダリアvsビル!!!!レディ!ファイッッ!!!!」
試合開始のゴングが鳴るその瞬間、奴の口元がわずかに歪んだ。
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