第2話 ポーション作り

小屋に帰ると今日取ってきた水と薬作成道具を木のテーブルの上に並べる。

薬作成道具はすり鉢や薬研、すりこぎやマジックランプなどのポーションを作るのに必要な道具などがすべてそろっている。

その中からナイフとまな板、すりこぎなどやガラス瓶を取り出す。


まず、帰りに取ってきた薬草の水気を魔法で取り除き、ナイフで細かく切っていく。その後にすり鉢などを使って粉々にすり潰していく。身体能力が上がっているおかげかこの作業も疲れを感じなかった。

次にマジックランプに火を灯し、清水の入ったガラス瓶を上に置く。その中にすり潰した薬草を入れ、ガラス棒でクルクルとかき回す。まるで理科の実験みたいだ。


少しすると知識が「完成」と告げてくれるのでそこでガラス瓶から小瓶に中身を移し替え、木を削ってコルクのようにしたもので蓋をする。

これで痛み止めの完成だ。水薬なので腐ると大変だ。そこで保存の魔法を掛ける。これで一か月は持つはずだ。


「これで完成か。やっぱり簡単に出来てしまう。俺って天才か?」


そんなことを言うほどに知識のおかげで簡単に出来てしまう。

しかし、作ったはいいが効果がどの程度かわからない。試すのに自分で怪我をするのも嫌なので、明日村にでも行って、怪我をした兵に一つ分けてみて感想を聞いてみよう。

窓の外を見ると、太陽は地平線に半分頭を隠し始めている。


「集中してたせいか、全く時間が気にならなかったな。そろそろ飯を食って寝るか」


ここで和也は重大なことを思い出した。飯がないことに。


(どうしよう。もう一度村に戻って買いに行くか?いやいや、兵が夕刻を過ぎると門を閉めるって言ってたな)


この時間だと村へは入ることができない。一食くらい食べなくても死にはしないが、もともと住んでいたのは日本だ。食に対しての我慢はしたことがないのだ。ゆえに今和也には一食抜くという発想が出てっこなかった。

和也は一体どうしたのだろうか・・・?


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夕食は小屋の近くに巣くっていた獣の肉だ。

肉は獣臭く、とてもただ焼いただけでは食えたものではなかった。

そこで、小屋の近くに生えていた香草と一緒に蒸したとこ、食えるようにはなった。


(あんなにまずい肉は初めて食ったよ。もう食べたくないな)


そう思いつつも全部食べ切った和也は就寝の準備に取り掛かった。


部屋はエアコンのような魔法道具マジックアイテムによって一定の温度を保たれている。

ベットは身体が沈みすぎないちょうどいい奴だ。体の疲れを心地良く癒してくれる。


さぁ、じゃあ寝ることにしよう。おやすみ。


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朝の目覚めは受験戦争の名残で朝5時。外はまだ日が顔を出していない。

朝の始まりまであと少し時間がある。今日何をやるかを決めよう。


(昨日も作っていたポーションを追加で作って売って数日の稼ぎにしよう)


朝6時ごろになってから行動を開始するために二度寝を開始する。



(やばい!寝過ごした!)


太陽は南中を過ぎ西に傾き始めている。

とりあえず今日やるはずだったポーション作りを開始する。


ゴリゴリッ ゴリゴリッ


部屋の中に薬研や乳鉢ですり潰す音が続く。


出来たポーションは全部で67本。これ以上は小屋の周りの薬草が無くなってしまう。


ポーション類の薬はそれぞれ色で出来の判断ができる。上から、赤、紫、黄、緑、青(水色)となっている。今回できたのは大半が黄色。数個赤色ができたがそれ以外は紫などだ。

これもまた知識のおかげだ。


既に太陽は沈んでしまっている。二度寝なんかするからだな。


後は明日売りに行くだけだ。


(あ!しまった!また夕食買うの忘れた!)


ということで今日の夕食もまずい獣に肉になった。


では、おやすみ。



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