第175話 犬? 狼さん? の親子を、おじさんは助けます(6)

 うわぁあああ~。何とも恐ろしい声……。儂の娘に逆らった男の絶叫が。儂の耳に聞こえるから本当に恐ろしい。


 だから儂は、自身の老いた身体を、年甲斐もなく震わせながら。


「舞君~。おじさんは~。怖くて仕方がないよ~」と、畏怖した声色を漏らしながら。『スリスリ』と、未だ幼い彼女の大変に柔らかい肢体の軟肌へと、自身の頬を当てながら甘えたのだよ。


 儂は年甲斐もなく……。


 まあ、先程から儂が、『視界が真っ黒~! 自身の目の前が見えないから。ここは何処だ~?』と、ワザとと、言っても良いぐらいに、儂は大騒ぎをしているのだが。


 実は儂自身は、『何処にいるのか?』と、十分承知している。


 まあ、おじさんは年甲斐もなく、少しばかりエッチだからね~。


 う~ん、実は儂は、只今~? 舞君の着衣をしている甲冑の中に。彼女の腹部の下辺りから潜り込んで──。舞君の未だ成長過程である。我が家のさくらやレイ……。ダークエルフであるローラとは異なる、貧相な胸の谷間に自身の顔を埋めて……。恐ろしさの余り甘えている最中なのだよ。


 だから舞君の小さくて可愛い唇のついた口からは?


「はぁ~、はぁ~、うん、あっ、いい~。ああ~ん、閣下~。ここまで僕を弄び~。性玩具(おもちゃ)にして~。昇天をしたのだから~。ちゃんとロ~ラのように責任を取り~。妃にしてくださいね~。お願いしますよ~。閣下~。分かりましたか~?」と。


 またまた儂は、さくらの想い描いている邪な策へと、美少女を与えられ、男の性と言う奴が抑えきれなくなり、桃源郷へと誘われ、朽ち果ててしまい堕ちてしまったようなのだよ。


 本当に男としては情けない話しなのだが。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る