第174話 犬? 狼さん? の親子を、おじさんは助けます(5)
まあ、他国の兵? 盗賊?
どちらかわからぬ男なのだが。儂は敵に塩を送るではないが?
敵の男が成仏できるようにと願うことが可能な~。清い心の持ち主だから~。こんな素晴らしい世界……。
と、いいたいところなのだが~?
〈バリ、バリ〉
……ん? 何かが、硬い物を食らう歯の音が聞こえてくるね~?
い、一体、な、何が~? 何を~? 喰らっているのだろうか~?
儂は自身の身体を震わせながら、脳裏でこんなことを思い。畏怖するのだよ。
……ッて? 誰に畏怖するのか、だって~?
そりゃ~。遠目からでも、儂等家族の様子を見れば、誰が怖いか? ぐらいは、誰でもわかると思うのだが?
まあ、取り敢えず、儂の口で、他人の耳でも聞き取れるような声を出したら。
次に魔物に食われるのは、儂かも知れないから?
儂の脳裏で囁くことにするから~。
と、いうことで?
儂の娘のさくらだよ。
本当に恐ろしい女子(おなご)だろう~?
まあ、儂が脳内で、一人二役……。『ブツブツ』と、不満を思い描いていると?
「うぎゃ、あああ~! いてぇえええ~! いてぇえええ~! 助けてくれぇえええ~! 死ぬ~! 死ぬ~!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます