第173話 犬? 狼さん? の親子を、おじさんは助けます(4)

 するとこんな老いぼれに相手に舞君は、優しく丁寧に……?


「あぁ、あああ~。殿下は~。僕にこんな事を尋ねないでください~」


 と、絶叫染みた声色……。


 と、いうよりも?


 舞君は「ハァ~、ハァ~」と、息荒くと「あッ、あああ~。あああ~。うん~」と、嬌声を混じらせながら。


 王である儂へと不満を告げてくるから。


「……ん? 何で~。儂が妹君に訊ねてはいかぬのだぁ~?」と。


 遠く~?


 う~ん、いや~。近くかも~?


 まあ、儂の視界が漆黒の闇に閉ざされているから。儂自身もよくはわからないのだが?


 儂自身の耳にこんな台詞も聞こえてくる。


「はぁあああ~! 何で儂が~。貴様らに~。自分の国の事を説明しないといけないのだ~? 可笑しな事を申すなぁ~。この小娘がぁあああ~」と。


 男の荒々しい声……。


 まあ、怒号と言う奴が聞こえてきたのだ。


 だから儂は?


 その男が誰に怒号を吐いているのだろうか~? と、思うのだよ。


 もしも~? 男が怒号を吐いている相手が、家の長女であるさくらならば。男は大変に酷い目に遭うと思うぞ~?


 だって我が家のお姫さまは、自身の父である儂を食らって。自身の魔力を増幅させたこともある恐ろしい女だから。


 儂は、男がさくらに怒号を放っていなければよいのだが?


 と、思いながら妹君からの回答を待つのだよ。


「ふぅ~ん、そうですか~? 貴方は~。この辺りの国の女王になるわらわに対して、素直に従わず~。逆らうというのですね~? では~、貴方の気持ちはわかりました~。じゃ~。貴方は~? 仲間達よりも早く~。冥府へと旅立ちなさい~。今直ぐに~」と。


 さくらの勇んだ台詞が聞こえてきたから。


 う~ん、どうやら~男は~?


 大変に恐ろしい残虐非道……。情け容赦のない我が娘……。


 さくらへと怒号を放ったみたいだから。


 儂は直ぐさま男に対して、念仏を唱え始めたのだよ。


 男が成仏して、天国へと誘われるようにねと……。

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