第171話 犬? 狼さん? の親子を、おじさんは助けます(2)

 ……ん? あれ? 我が家の姫さま……。さくらの憤怒した恐ろしい声が聞こえてくるのだよ。


 一昨日の朝に、儂が自身の耳で何度も聞いて──。恐れ慄き畏怖した台詞だよ。

 だから儂は身震い……。


『ブルブル』と、自身の身体を震わせたのだ。


 と、同時に。儂の両頬が『プルプル』と、柔らかい物が当たる感触……。肌触りと言う奴が伝わってくるのだよ。


 だから儂は『何だ~?』と、自身の心の中で思うのだよ。


 う~ん、また、思うと同時に?


「あぁ~ん。殿下~。余り僕を諫めないでください~。お願いしますから~」と。


 儂の耳に官能的な台詞が聞こえてきたのだ。


 それも? いつもの如く。ファザコン娘である、さくらやレイ……。


 そしてローラの官能的な台詞ではなく。


 この声色は舞君の声なのだよ~。


 だから儂は、「何故舞君の胸が儂の頬にあたるのだ~?」と、声を大にして叫びながら自身の顔や身体を起こそうと試みるのだよ。


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