第162話 娘や三銃士との楽しいキャンプだったはず? (7)

 だから儂は、「えっ?」と、驚嘆を漏らすのだ。


 でッ、その後は更に、『えぇえええ~。うそぉおおお~?』と、驚愕しながら声を大にして叫ぼうと試みる……と、儂は言いたいところなのだが?


 自身の背から影──。シャドーを出したローラ君が儂へとこんな台詞を告げてきたのだ。


「殿下~。少々~。私(わたくし)に~。魔力をわけ与えてください~」と。


 だから儂は、ローラ君に、「別にかまわんよ~。すきなだけ使いなさい~」と、安易に言葉を返してしまったのだよ。


 ローラ君が、我が家のすみれやさくらと同じ種族であるダークエルフだったことすっかり忘れてね。


 だから儂はこの後、予期せぬ出来事……ではなく。大変なことになるのだ。


 だってローラ君は、儂の彼女の問いかけに対して、了承したと台詞を聞けば直ぐに、自身の艶やかな唇を開いて。


「バンパイヤ~レイジ~。発動~」


 と、叫んだのだ。


 だから儂はまた、自身の口を開いて、「えっ?」と、驚嘆を漏らすのだが。時はもう既に遅い……。


 ローラ君は、バンパイヤレイジを発動させると直ぐに、儂の喉元を『ガブリ~!』と、噛みつき──。


 その後は、年老いた儂の生血を『チュ、チュ』と音を立てながら、美味しそうに吸い始めるのだ。



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