第140話 いざ出発! (26)

 舞君に震え慄いている儂に、止めを刺すように、エルフの美少女のシルフィー君が、自身の背負う弓を背から取り──。


『ビュン~! ビュン~!』と、音を立てながら、自身の持つ弓を空引きし始めるのだよ。


 それもさぁ~? 王である儂の為ならば、敵の兵をいくらでも射ぬき殺害をしてくれると、彼女は儂の方へと視線を変えて嬉しそうに告げてくるのだよ。


 だからおじさんは、『困ってしまって、ワン~! ワン~!』と、泣きたくなる衝動に駆られてくるのだ。


 だから儂自身が気落ち……。自身の顔色を変えながら、『シクシク』としていると。


「ほうらぁ~。あなた~。みな、あなたのためならば~。自身の乙女の恥じらいや命の方も捨ててもよいといっているでしょう~。わらわの連れてきた~。三銃士達は~。だから~。あなたは~。今後のことは、何も心配~。思案の方もしなくていい~。みな、わらわ達が、あなたのために、色々としてあげますから~」と。


 二人の覇気のある台詞に、恐れ慄く儂にさくらが、こんな甘くて優しい声をかけてくれた。

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