第139話 いざ出発! (25)

 と、本気で思うのだよ。


 ……ん? 舞君? あんなにも可愛い顔をしたカマエルの美少女なのに。何で儂が彼女のことをこんなにも恐れ慄くのか、傍から見ている皆は不思議でならないと?


 う~ん、だって、よく皆は思い出して欲しい~?


 儂は本来この物々しい世界で産まれ育った住人ではない。元々大変に平和な令和の世の中……。日本がある近代的平和な世界からきたのだぞ~。


 だからこんな中世的な殺伐とした世界観は未だ儂自身も慣れてはいない。


 なのに? いきなり舞君は、そんな儂の視点の先で、本当に良く切れそうな鋼の剣を抜いて、天高く掲げてみせたのだよ。


 だから近代日本の民であった儂は、彼女のことが恐ろしくて仕方がないから震え慄き始めたと言う訳なのだ。


「あぁあああ~。舞~。汚い~。自分だけ王様の前で、自己アピールして~。私だって~。王様の為ならば~。この私が持つ弓矢を駆使して~。敵の兵達をいくらでも射抜いて見せるのだから~」



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