第131話 娘達とキャンプ? (17)

 だから儂は彼女の荒々しい声色での不満を聞き呆気にとられた。


 う~ん、でも、儂自身も?


 このまま呆気にとられて、いつまでも呆然としているわけにはいかないから、自身の口を開いて。


「えっ? あっ、うん……。ありがとう……。シルフィー君……」


 と、お礼だけ彼女に告げた。


 でッ、シルフィー君に告げ終えると儂は、昨晩のお城の儂の寝所での出来事を走馬灯が回るように思い出すのだよ。昨晩の儂の妃達の様子をね。


 儂がベッドで横たわっている脇に添い寝をしようと妻達は、我先にと競うように床に入ってきたのだ。


 でッ、その後妃達は、嫉妬心をあらわにしながら、ベッドが狭いからと自分以外の者は、ベッドから出るようにと荒々しく揉め始め──。儂の寝所は大変な騒ぎになったのだよ。


 でッ、何だか? 昨晩の大騒ぎの時の騒動と、類似しているような光景が今儂の目の先──。戦車仕様の馬車の外で、シルフィー君と舞君との間で、二人の王である儂を巡り起きそうな予感がするのだ?



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