第118話 娘達とキャンプ? (4)
するとレイの奴は『ウグッ』と、いった感じで、自身の奥歯を噛みしめ始めだしたのだよ。
余程レイは、姉であるさくらのことが腹立ちして仕方がないのだと思われる?
だってエリカ似の美しい顔が歪み、荒々しい表情をしているからのぅ~。
儂はレイの父親として娘に、『そんな恐ろしい顔をするな、レイ~』と告げてやりたいのだが。
今さくらの奴が、兄弟姉妹の中で一番武に長けているのは、カマエルと人とのハーフであるレイだと申していたので、儂はまた娘に畏怖してしまい。諫めの言葉を告げることができなかったのだ。
だって先程儂は、自身の娘に歓喜の声をだしながら食われたのだぞ!
オスの蜘蛛やカマキリのオスのようにメスの糧へとされたのだ。
だから蘇生魔法『リザレクション』をさくらが使用して生きかえらせてもらったとしても。さくらの奴には、恐怖の余り逆らうことなどできないよ。
だから儂は、傍から見れば情けないとは思われるが、娘二人の口論に割って入ることなどできないよ。
儂は只の人間(ひと)だから、娘二人の役に立たない老いぼれナイトである、ドンキホーテでもしているしかないのだよ。
まあ、儂がこんなことを思っていると。
「さくら様~。レイ様は、大変にお優しい方ですから~。我らに従軍して、王様を守ってくれますよ~」
「えええ~。そうですよ~。さくら様~。シルフィーの告げている通りで、レイ様は大変にお優しい方だすから皇帝閣下や我らを見捨てて、お城に帰還をされるようなことはしませんよ~」
「そうですね~。さくらさま~。シルフィーや舞の申している通りですよ~。レイさまに限り。閣下や私(わたくし)達を見捨てるようなことはしませんよ~」
またまた、こんな感じで三銃士達……。
といか? こやつら幼い少女達三人がさくらの直属の近衛隊である三銃士と言うのだから。傍から見ている儂は、本当に不安で仕方がない。
だってこんな小学生ぐらいの少女が三人いたとて、儂らは敵の大軍を退けて──。敵の領地を奪い広げることが本当に可能なのか? と、思ってしまうよ。
だから先程から儂は幸先不安だと何度も不満や愚痴を漏らしていると言うわけなのだ。
まあ、儂は、さくらのことが恐ろしいから、自身の心の中で不快感を募らせているだけではあるのだが。
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