第112話 日本と異世界の違いに驚愕……。 (9)

 だってさくらの奴は、儂の喉元を噛み切り出血をさせるのだ。


『ドクドク』と音が鳴るほどに……。


 まあ、儂の喉元から流れる血の音なのか?


 それとも? 儂の喉の音なのか?


 どちらかわからぬが?


『ドクドク』と、いった音が儂の耳に聞こえるのだよ。


 う~ん、でもなぁ~? こんな悲惨な様子でいる儂にさくらは、相変わらず優しい言葉をかけてくれない。


「うるさい~! 黙りなさい~! あなた~! あなたが先程、わらわとカインの仲の良い関係をあなたが、侮り蔑んだから天罰を与えているのですよ~。わらわはこの世界──! この国を創成させた神であるあなたと闇……。冥界を司る女神であるお母様から産まれた女神なのですから~。わらわに敵う者など誰もいないのですよ~。エリカお母様の武を持ってしても、わらわに敵うことは不可能……。だからあなたもカインと一緒でわらわに平伏し従いなさい~。さすれば、わらわが常にこのように極楽浄土、若しくは? 男の夢である桃源郷をこのように見せてあげますから~」と。


 儂に荒々しく告げてくるのみで、全く儂の許し解放をしてくれの嘆願に耳をかしてくれない。


 儂はもう既に、さくらに喉元を噛み千切られて、「はぁ~、はぁ~」と、荒い息を漏らしながら虫の息だと言うのに……。


 ッて、あれ? 儂の喉元に痛みを感じない……。


 儂自身、何故だかわからぬが? 痛みを感じないのだよ?


 う~ん、それどころか? 大変に気持ちが良い~。


 それこそ? 先程さくらが儂に荒々しく告げた言葉ではないが?


 まるで儂は酒に酔いしれながら桃源郷で、男の性と言う奴を解放──。性欲を満たしたしながら堪能をしているようだ。


 だから儂の荒い息遣いは、嬌声と言う奴かも知れん~?

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